ファッション

「グッチ」のビッザーリCEOが退任へ 「サンローラン」CEOは親会社の副CEOも兼任

ケリング(KERING)は7月18日、傘下であるグッチ(GUCCI)のマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者(CEO)が9月23日付で退任することを発表した。正式な後任が決定するまで、ケリングのジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)=マネージング・ディレクターが暫定的に同職を務める。また、同じく傘下に持つサンローラン(SAINT LAURENT)のフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)社長兼CEOがケリングのデピュティーCEOを兼任することも併せて発表した。

ビッザーリ=グッチ社長兼CEOは、2005年にステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)(当時はケリングの傘下。18年に独立)の社長兼CEOとしてケリングに加わった。09年にボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)の社長兼CEOに就任し、12年にはケリングの取締役会のメンバーに。14年にグッチの社長兼CEOに就任し、15年に同ブランドのアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターだったアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)をクリエイティブ・ディレクターに任命。二人三脚で、低迷していた「グッチ」を再び人気ブランドへと立て直した。22年11月にミケーレが退任した際には、ビッザーリ社長兼CEOも退任するのではとの憶測が流れたが続投し、23年1月にミケーレの後任として「ヴァレンティノ(VALENTINO)」でファッション・ディレクターを務めていたサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)を新クリエイティブ・ディレクターに任命。9月のミラノ・ウィメンズ・ファッション・ウイークで発表するデ・サルノ新クリエイティブ・ディレクターのデビューコレクションを見届けた後に退任する。なお、ケリングに加わる前は、米コンサルティング会社アーサー・アンダーセン(ARTHUR ANDERSEN、当時。現アクセンチュア)、マンダリナダック(MANDARINA DUCK)、マリテ+フランソワ・ジルボー(MARITHE + FRANCOIS GIRBAUD)などでキャリアを積んでいる。

ベレッティーニ=サンローラン社長兼CEOは、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、ヘルムート ラング(HELMUT LANG)のオペレーション・マネージャーに就任。2003年にケリングに入社し、グッチのストラテジック・プラニング・ディレクターおよびアソシエイト・ワールドワイド・マーチャンダイジング・ディレクターを歴任した。ボッテガ・ヴェネタを経て、13年から現職。ケリングのデピュティーCEOとしてはブランド開発を担い、全ての傘下ブランドのCEOが同氏の直属となる。

また、ケリングのジャン・マルク・デュプレ(Jean-Marc Duplaix)最高財務責任者も同社のデピュティーCEOに任命されており、オペレーションと財務関連を担当する。そのほかにも、ケリングは16年までシャネル(CHANEL)のグローバルCEOを務めていたモーリーン・シケ(Maureen Chiquet)を取締役会に迎えるという。

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「グローバルなラグジュアリー市場の成長をしっかりと捉えるため、より強固な組織を構築しているところだ。『サンローラン』の売り上げを約6倍に伸ばした立役者であり、素晴らしいパートナーであるフランチェスカと共に働くことを楽しみにしている。また、『グッチ』とケリングの成長に多大なる貢献をしてくれたマルコに感謝するとともに、彼の今後の活躍を願っている」と語った。

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