【2ページ目】MINA PERHONEN(ミナ ペルホネン)

■ MINA PERHONEN(ミナ ペルホネン)のはじまり

皆川明が1995年に前身ブランド「ミナ(MINA)」を設立する。2003年に「ミナ ペルホネン」に改称。フィンランド語で「ミナ」は「私」、「ペルホネン」は「蝶々」を意味する。一過性のトレンドに左右されない普遍的な価値を持つ“特別な日常服”をコンセプトに、日本各地の生地産地とコミュニケーションを重ねながら作られたオリジナルテキスタイルに強みを持つ。ファッションブランドとして始まり、現在はインテリアやファブリック、空間デザインなどを手掛けるブランド。

■ MINA PERHONEN(ミナ ペルホネン)の歴史

1995年に「ミナ」を設立。創設者でデザイナーの皆川は「せめて100年続くブランド」と紙に書き、世代を超えて続く活動を思い描く。96年、洋服の余り布から生まれた“ミニバッグ(mini bag)”、97年、卵型の“エッグバッグ(egg bag)”が誕生する。99年、アトリエを阿佐ヶ谷に移す。椅子“ジラフチェア(giraffe chair)”を発表。2000年、“トリバッグ(tori bag)”が誕生。白金台にアトリエ併設の直営店を初出店。02年、一度生まれたデザインを色や素材を変えながら作り続ける、バックナンバーの復刻をスタート。
03年、ブランド名を「ミナ ペルホネン」に改称。蝶々のマークをブランドロゴの一つとして使い始める。ロンドン・ファッション・ウイークに初参加。スコットランドのロキャロン社(Lochcarron)で生産した、オリジナルのタータン柄“ミナ ペルホネン タータン(mina perhonen tartan)”が英国スコットランドタータンオーソリティーに登録される。インテリアシリーズ「プー(PUU)」を発表。着物ブランド「撫松庵」とのコラボレーションで着物を発表(〜06年)。04年、パリ・ファッション・ウイークに初参加。子ども服ラインをスタート(05年春夏〜)。天童木工と“ペルホネン チェア(perhonen chair)”を発表。
06年、インテリアファブリックの販売をスタート。07年、京都店をオープン。08年、オリジナルのテーブルウエアをスタート。家庭で洗濯できるライン「ミナ ペルホネン ランドリー(MINA PERHONEN LAUNDRY)」を立ち上げ。09年、アーカイブラインを扱う店舗「ミナ ペルホネン アルキストット(mina perhonen arkistot)」1号店を京都にオープン。青森県立美術館のユニフォームデザインを手掛ける。井上インダストリィズと椅子“ベーグル スツール(bagle stool)”、トラフ建築設計事務所と棚“ペルホネン シェルフ(perhonen shelf)”をそれぞれ発表。10年、余り布から始まるプロダクトを扱うショップ「ミナ ペルホネン ピース(mina perhonen piece,)」の1号店を京都にオープン。「ミナ ペルホネン」の服が京都服飾文化研究財団に収蔵される。
11年、オンラインストアを開設。アーカイブコレクションのレンタルサービス「レンター(lentaa)」をスタート。12年、東京スカイツリーのユニフォームをデザイン。パリ発のフレグランスブランド「ディプティック(DIPTYQUE)」とコラボし、皆川によるパッケージデザインや自身が綴った詩からイメージしたキャンドル3種を発売。13年、素材の良さが引き立つシックかつニュートラルカラー中心の店舗「ミナ ペルホネン ガッレリア(mina perhonen galleria)」を京都にオープン。また松本店をオープン。桜製作所と椅子“ロータス スツール(lotus stool)”を発表。スウェーデンのテキスタイルメーカー、クリッパン(Klippan)へのデザイン提供を開始。フランスのバレエブランド「レペット(REPETTO)」とコラボ。14年、金沢21世紀美術館のユニフォームデザインを担当。経年変化を楽しむインテリアファブリック“ドップ(dop)”を発表。良品計画と残反や端材などから新たな価値を生み出すプロジェクト「プール(POOL)」をスタート。15年、伊テーブルウエアブランド「ジノリ1735(GINORI 1735)」とのシリーズ「ビーホワイト(Bee White)」を発表。デンマークの家具メーカー「フリッツ・ハンセン (FRITZ HANSEN)」から“ドップ”のテキスタイルを用いたコラボアイテムを発表。ブランド20周年を記念した展覧会「1∞ ミナカケル」を青山・スパイラルガーデンと長崎県美術館で開催。
16年、代官山店をオープン。青山・スパイラルにカフェ併設のコンセプトショップ「コール(call)」をオープン。ヘルシンキ・デザイン・ウイーク期間中に「アルテック(ARTEK)」の店舗でインショップを展開。17年、金沢店をオープン。代官山にテキスタイルを中心にしたインテリアショップ「ミナ ペルホネン マテリアーリ(mina perhonen materiaali)」をオープン。ニューヨークのクーパーヒューイット・スミソニアン・デザイン・ミュージアム(Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum)にテキスタイルが収蔵される。「アルテック」とのコラボで“スツール60(stool 60)”の座面と脚の組み合わせをデザイン。19年、展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」、“TIME ・ME・IT”と題したファッションショーを開催。東京・馬喰町に暮らしと生活をコンセプトにした店舗「ミナ ペルホネン エラヴァ(mina perhonen elava)」をオープン。20年、ニュートラルカラーを基調としたプレーンな服をそろえる「ミナ ペルホネン ネウトラーリ(mina perhonen neutraali)」をオープン。東京・馬喰町に「プークー(puukuu)食堂」をオープン。21年、02年にテキスタイルデザイナーとして入社した田中景子が最高経営責任者に就任。老舗じゅうたんメーカーの山形緞通との絨毯を発表。フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「ストウブ(STAUB)」とコラボ。22年、土屋鞄製造所との協業でランドセルを製作。教育サポートや空間・街づくりを手掛けるジャクエツ(JAKUETS)とともに遊具と制服を製作。23年、ハウスメーカーの積水ハウスと協業し、初めてモデルハウスを制作した。

■MINA PERHONEN(ミナ ペルホネン)のデザイナー

皆川明(みながわ・あきら)

1967年7月25日東京都生まれ。89年文化服飾学院を卒業。95年「ミナ」を設立し、自身のブランドをスタート。97年、魚市場でのアルバイトを辞め、服作りに専念する。2004年、ダンス公演「wonder girl」の衣装を担当し、空間構成と演出に参加。以降、ステージ・舞台の衣装やビジュアルコンセプトなどを手掛ける。06年、「毎日ファッション大賞」大賞を受賞。デンマークのテキスタイルメーカー、クヴァドラ(Kvadrat)からテキスタイルを発表。09年、英国のテキスタイルメーカー、リバティ(LIBERTY)の10-11年秋冬コレクションでデザインを発表。16年、「2015毎日デザイン賞」と「第66回芸術選奨文部科学大臣新人賞」をそれぞれ受賞。17年、「ジノリ1735」がブランド協業と別に、皆川を起用したコレクションを発表。「ジノリ1735」が外部のデザイナーを起用するのは初めて。18年、瀬戸内の島・豊島の一棟貸しの宿「ウミトタ」のディレクションを担当。22年、千葉県木更津市にあるサステナブルファーム&パーク「クルックフィールズ(KURKKU FIELDS)」にオープンした宿「コクーン(cocoon)」をディレクション。

■ MINA PERHONEN(ミナ ペルホネン)の主なライン・商品

テキスタイル

ブランドのモノ作りの根幹として、オリジナルのテキスタイルを中心とした素材からのデザインを手掛ける。ブランド設立以来、インハウスのデザイナーによる手作業での図案作りを続けており、主に天然素材を用い、職人の技術を生かした制作を行う。ウエアやバッグ、家具などに用いられる。工程で残る余り布はハギレを再利用したり、販売したり、素材をできる限り生かすよう無駄なく使用する。

“タンバリン(tambourine)”

2000-01年秋冬に発表。同じサイズの円を敷き詰めたパターン柄。円を描く粒は、フリーハンドで描かれた不揃いのもので幾重にもステッチを重ねて立体的に表現している。今ではブランドを象徴する柄になった。

「ミナ ペルホネン ピース(mina perhonen piece,)」

2010年にスタートした余り布を使ったアップサイクルのプロジェクト。手間をかけ、時間もかけてつくられたオリジナルの生地は、洋服に仕立てられた後のハギレも洋服の修繕用などで保存してきたが、「ピース」として、余り布を使った肩掛けのバッグやぬいぐるみ、ブックカバーなどを展開。同年には1号店を京都にオープンした。

■ 公式サイト

https://www.mina-perhonen.jp/

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