ファッション

【菊地凛子×菊地成孔インタビュー後編】Rinbjö名義で歌手デビューする新婚の菊地凛子がファッションに目覚めた言葉とは?

2006年のアメリカ映画「バベル」でのアカデミー助演女優賞ノミネートをはじめ、数々の国際映画で活躍する女優の菊地凛子。15年1月1日には俳優の染谷将太との入籍を電撃発表した彼女が、Rinbjö(リンビョウ)名義で歌手デビューした。14年12月24日に全14曲入りの1stアルバム「戒厳令」(タブー)を発売。2月16日には、フランスのレーベル「グラン パレ/モデュロール(Grand Palais / Modulor)」からも本作がリリースされる。プロデュースは、「WWDジャパン」の不定期連載「服は何故音楽を必要とするのか?」でファッションショーの音楽について執筆する文筆家・ミュージシャンの菊地成孔。「WWDジャパン」は、両者の対談取材を実施した。今回のプロジェクトの経緯と音楽性、アートワークについて掘り下げた前編に続き、後編では、レッドカーペットやファッションショーのフロントローも多く経験するRinbjöのファッション観について聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):Rinbjöにとってファッションとは?
Rinbjo:人と繋がるためのツールのひとつでした。私の場合は、国際的な場所に立つ時の姿が特にフィーチャーされます。映画祭や授賞式に出席すると、特にアメリカのメディアはファッションを大々的に取り扱いますよね。そこで私はナンバーワンに選ばれたり、本気で服を選んでいるのにワーストに入ったりもしました。国によってのTPOや女性の美意識の違いを学んで面白かったです。映画「バベル」で初めてカンヌ国際映画祭に出た直後、「シャネル(CHANEL)」のオートクチュール・ショーに招待頂きました。その時、デザイナーのカール・ラガーフェルドに会って、「今度写真を撮りたい」と広告モデルを務めたことが私のファッションの始まりだと思っています。彼が「子どものような純粋な目で見つめてきたと思ったら、突然、ミステリアスな女性に豹変するんだ」というコメントを残してくれました。それまで自分では気付かなかった自分のやりたいことが、両性部類的であったり多面的だったりすることがはじめて腑に落ちて。そこからファッションを好きになっていきました。

150112_kikukchi_002WWD:Rinbjöの魅力は?
菊地成孔(以下、菊地):Rinbjoに聞いたら、お兄ちゃんが2人いるんです。つまりはスーパー妹キャラなんですね。それはこのアニメが盛んな国である日本で連想しがちな妹のイメージともちょっと違っていて。そのスーパー妹キャラがこじれ過ぎて男の子になっちゃったっていうのが僕の分析です。34歳女性のいまを強く意識しているんだけど、妹であり男の子っぽい側面も時々垣間見せるから面白い。僕は「戒厳令」で、Rinbjöのスーパー妹キャラがこじれて男の子みたくなっている側面を引き出して、それがチャーミングなんだってことを伝えたかった。ハイモードや映画の世界での評価を超えて、もっと多くの人にこの魅力を知ってもらえたら嬉しいですね。

WWDジャパン:愛がありますね。
Rinbjö:そうなんです。あ、菊地一派だからか。
菊地:同じ菊地姓同士、“菊地ネイション”ですもん。愛というよりネイションの問題ですね。

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