ファッション

ヘアサロンの予約管理システムをめぐるビジネスの今

 現在、ヘアサロンの予約管理システム市場には「老舗vsホットペッパーvs新規参入組」という構図がある。「老舗」とは、「スーパービューティー」に代表される、ヘアサロン業界の発展を支えてきた高いシェアを誇るシステムのことだ。

 「ホットペッパー」とは、「ホットペッパービューティー」が(登録サロンに限り)無償で提供する予約管理システム「サロンボード」のことで、注目すべき特徴は2つ。1つは、何といっても検索・予約サイトとして圧倒的なシェアを誇る「ホットペッパービューティー」と完全連動していることだ。「ホットペッパービューティー」に登録していても、「サロンボード」は利用していないサロン、もしくは他のシステムと併用しているサロンは少なくない。しかしその場合はさまざまな手間のかかる作業が発生してしまうので、完全連動しているメリットは大きい。

 2つ目の特徴は、電話で受けた予約も「サロンボード」に入力することで、ネット予約分と同様に管理できるようになる点だ。現在は、ネット予約と電話予約の両方を受け付けているサロンが多く、電話予約分のみ紙台帳で管理しているサロンも少なくない。こうした利便性が評価され、現在は9000サロン以上に導入されている。

 「新規参入組」とは、新発想で顧客管理を変えていこうと開発されたシステムのこと。その筆頭が美容師目線で開発された「ストアタッチ」だ。iPadを使用して顧客管理ができるPOSレジで、余分な機能を省き、使いやすさに徹底的にこだわっている。「現在、ヘアサロンの8割以上が、いまだに紙台帳で顧客管理を行なっている。その理由は、既存のシステムを使いこなせない、もしくは導入できないから。年配の方が営む個人店などでは『導入して使い方を覚える手間をかけるなら、紙台帳のままでいい』となってしまう。そういう方に向けた“サロンワークが今より少し便利に、楽しくなるツール”として開発した。携帯でいえば、年配の方でも使いやすい『らくらくフォン』のようなものだ」と、リレーションズの岩田亮一・取締役。全国のサロンの中で、数としては圧倒的に多い個人店に向けたシステムとして、業界を変える可能性を秘めている。

 2012年6月からサービスを開始した、「ホットペッパービューティー」が提供するシステム。「指名なし」で入った予約も自動的に担当者に振り分けられる、メニューごとにネット予約受け付け枠を管理できる、などの特徴がある

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