ファッション

北欧ライフを体現する老舗リネン「ラプアン カンクリ」のオーナーが語る、良質な素材の力

 フィンランド発のテキスタイル「ラプアン カンクリ(LAPUAN KANKURIT)」の日本初インショップがスローハウス・二子玉川(SLOWHOUSE)内に登場した。同ブランドの誕生は約100年前。一般家庭で毛糸や麻が作られていた時代に創業した。ブランド名は日本語で“ラプアの織り手たち”で、ラプアとはフィンランド北西部の小さな町のことだ。創業以来、ラプアでリネンやコットン、ウールなど厳選した素材を使用したテキスタイルを織り続けている。ショップのオープンを機に来日した4代目のヤーナ・ヒュエルト(Jaana Hjelt)=ラプアン カンクリ・オーナー兼セールス&マーケティング・マネジャー(SMM)に話を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):日本にインショップができた感想は?

ヤーナ・ヒュエルトSMM(以下、ヤーナ):とても興奮しているわ。フィンランド国外での初めてのショップでもあるから。スローハウスのようなすてきなお店で販売できることをうれしく思う。

WWD:「ラプアン カンクリ」のブランドコンセプトは?

ヤーナ:ブランドの軸は幸せや健康。フィンランドではおなじみのサウナで使うタオルやキッチンで使うテーブルクロス、リビングルームのブランケットなど、生活におけるさまざまなシーンで毎日使うものを提供している。北欧特有の美意識が反映されたデザインで、リネンやウールなど伝統的な自然素材を使用して、糸から最終製品までサステイナビリティーにこだわって生産している。

WWD:他のテキスタイル・ブランドと違う点は?

ヤーナ:他のブランドでは生産は下請け工場に出しているところが多いけれど、私たちはメーカー。糸から生産、製品の販売まで全てのサプライチェーンをコントロールしている。

WWD:鹿児島睦や鈴木マサル、吉澤葵ら日本人デザイナーとコラボレーションしたきっかけは?

ヤーナ:マコトは日本のパートナーを通して知り合った。マサルは「マリメッコ(MARIMEKKO)」をはじめ、フィンランドとは馴染みが深い。アオイはヘルシンキでテキスタイル・デザインを勉強していて、その時、工場に研修に来たのがきっかけ。なぜかコラボするのは日本人が多い。マサルとは何年もコラボしていて、われわれが求めているデザインがどういうものか分かっている。日本人とは共通点が多いせいか、とてもコラボしやすい。

WWD:現在何カ国で販売しているか?売り上げトップスリーは?

ヤーナ:30カ国で販売している。一番大きい市場はフィンランドで、日本が2番目、3番目はドイツとスイス。販売する相手はいつも慎重に選んでいる。

WWD:ベストセラーは?

ヤーナ:“ウスバ”が人気ね。テーブルクロス、タオル、スカーフといろいろな使い方ができるから。冬はポケットショールが人気。ショールとしてもブランケットとしても使えるから、いろいろなシーンで活躍できる。

WWD:北欧におけるリネンなどテキスタイルの使い方は?

ヤーナ:フィンランドではコットンタオルは使わない。年間を通してリネンをタオルとして使用する。吸水性と速乾性に優れていて、使えば使うほど風合いが出るのが魅力ね。

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