ファッション

シャネル・ネクサス・ホールの今年最終プログラム 仏写真家ドゥパルドンの写真展

 「シャネル(CHANEL)」は9月1日から10月1日まで、シャネル銀座ビルディング4階にあるシャネル・ネクサス・ホール(CHANEL NEXUS HALL)で2017年の最終プログラムとして写真家、レイモン・ドゥパルドン(Raymond Depardon)の写真展「DEPARDON / TOKYO 1964-2016」を開催する。

 同展では、ドゥパルドンが東京を撮影した過去の作品と共に、カラーの撮り下ろし作品を展示する。ドゥパルドンは報道写真家として活動を続けてきた一方で、世界各地の美しい風景や人々の姿をとらえたポートレート作品においても高い人気を誇っている。1964年東京オリンピックの取材で初来日し、当時、22 歳の駆け出しながら、2000点以上に及ぶモノクロの写真群には、 独自の鋭い観察眼や優れた画面構成力がいかんなく発揮されている。以降、メキシコ、ミュンヘン、モントリオールと歴代オリンピックの写真を撮影しており、人間味あふれる報道写真は高く評価され、80年モスクワ大会までの作品をまとめた写真集 「J.O.」はロングセラーとなった。

 また、昨年ドゥパルドンは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックをひかえた東京を舞台に撮影を敢行。作品については「色彩とは、子ども時代を過ごした農村の風景や、60年代に取材で訪れたアフリカの、過酷な情況と共に経験した広大な自然や文化と繋がるものであり、重要な表現要素のひとつ」と語る。フランス人哲学者クレマン・ロッセ(Clement Rosset)が “甘美なリアリティ(The Sweetness of Reality)”と表現したカラー作品には、メロウで豊かな色彩美が際立つ。同個展はドゥパルドンの日本国内における初の個展となる。

 ドゥパルドンは1942年フランス生まれの写真家、映画監督。60年代に報道写真家として活動をスタートし、アルジェリアやベトナム、ビアフラ等の戦地を取材した。66年、写真通信社ガンマの設立に参加し、77年には、内戦中のチャドを取材した作品でピューリッツァー賞を受賞した。79年にマグナム・フォトの正会員となり、96年には30年間に及ぶアフリカ取材をまとめた写真集「En Afrique」を出版した。これまでに71冊の写真集を出版しており、代表的著書のひとつ「Errance」は8月に日本でも刊行を予定している。74年からは映画制作にも取り組んでおり、ドキュメンタリー映画の監督として世界的に高い評価を得てきた。日本国内で上映された作品には、山形国際ドキュメンタリー映画祭で市長賞を受賞した「アフリカ、痛みはいかがですか?」や、フランスのルイ・デリュック賞を受賞した「モダン・ライフ」がある。クローディーヌ・ヌーガレ(Claudine Nougaret)が共同監督として参加した「旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス」は、9月に日本での上映が決定している。

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