ファッション

ジャケットが女性リーダーにもたらす効果

 「WWDジャパン」11月28日号では、「働く女性にスーツは必要?増える女性管理職がキャリア市場を救う」と題した特集を掲載した。取材を始めた10月半ばは折しも、小池百合子・東京都知事が築地市場の豊洲移転問題に鋭く切り込み注目を集め、アメリカでは大統領選が大詰めだった。特集担当記者は世の中の大勢同様、民主党のヒラリー・クリントンが米国初の女性大統領に決まるだろうと、“ なんとなく”思い込んでいた。しかし11月8日、ドナルド・トランプ勝利という結果に、記者の気持ちもグラリと揺れた。

 ヒラリーが特に選挙戦後半に好んで着たパンツスーツは、彼女の強いリーダー像を演出し、#pantsuitnation(パンツスーツの国)というハッシュタグとともにツイッターなどのSNSで拡散された。ビヨンセはヒラリーを応援するためにブルーのパンツスーツのバックダンサーとステージに上がり、自身もパンツスーツでパフォーマンスを披露した。そんなヒラリー効果で米国内でのパンツスーツの売り上げが伸びたというが、まさかの敗北。フツウの女性たちから共感を得られず、ロールモデルになれなかったとも聞く。共感の時代といわれる今、スーツやジャケットを着る強い女性リーダー像は、古いのだろうか?

 ヒラリーの、特に真っ白なジャケットとパンツのスーツは確かに、1980~90年代風キャリア女性、男性と肩を並べて“戦う”女性のイメージをほうふつとさせる。2016年の今は、男性とは戦うのではなく支え合う、女性の支持者へは指示を出すのではなく共に歩く、そんなメッセージを演出するためにはむしろジャケットは脱ぎ、ブラウスやセーター、スニーカーなどがふさわしかったかもしれない。それがヒラリーのアイデンティティーと合っているかは別の話だが。

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