
ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、緊迫化する中東情勢の影響について。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月18日号からの抜粋です)

宮迫光子/みずほ証券アナリスト プロフィール
(みやさこ・みつこ)2013年にバークレイズ証券でトイレタリー・化粧品のアナリスト業務をスタート。ジェフリーズ証券を経て、24年2月から現職。株式市場の目線からトイレタリー・化粧品業界と企業をウオッチしている。26年の日経ヴェリタスのアナリストランキングにおいてトイレタリー・化粧品セクターで1位を獲得
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中東情勢が化粧品・日用品業界に落とす影響は、現時点では売り上げよりも供給網に色濃く表れている。直接的な地域売り上げの影響は限定的である一方、原材料調達(コスト増を含む)や物流コストを通じた二次的影響が、むしろ業界全体の収益構造を揺さぶる可能性がある。
すでに日用品業界では、その兆候が表れ始めている。ライオンでは衣料用洗剤の発売延期、小林製薬では消臭芳香剤やオーラルケア製品の一部調整など、供給制約を背景とした動きが出始めている。化粧品業界へ波及するリスクもある。
まず整理すべきは、中東での売り上げそのもののインパクトである。国内大手化粧品メーカーの中東での売り上げ比率は総じて低く、仮に現地需要が急減しても連結業績への直接的打撃は限定的とみられる。一方で、ロレアルやLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンなどの海外大手では需要減速が顕在化しているとの指摘もあり、局地的には無視できない変化が起きている。ただ、問題の本質は原材料供給のボトルネックにある。
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