三越伊勢丹ホールディングス(HD)は13日、基幹店である伊勢丹新宿本店の2025年3月期の売上高が前期比12.1%増の4212億円になったと発表した。計画の4240億円にはわずかに届かなかったものの、初めて4000億円台に載せた。コロナ前の20年3月期に比べて1.5倍になった。また日本百貨店協会の24年度(暦年)の東京地区の百貨店売上高(22店舗計)1兆7310億円に対して、同店は約24%のシェアを占めることになる。
三越伊勢丹HDが同日に発表した25年3月期連結業績は、総額売上高が前期比6.5%増の1兆3036億円、売上高が同3.6%増の5555億円、営業利益が同40.4%増の763億円、純利益が同5.0%減の528億円だった。主力の百貨店事業の売上高が同6.4%増だったことに加えて、販管費を同1.2%減に抑制した効果が出た。
百貨店事業は引き続き富裕層とインバウンド(訪日客)がけん引した。伊勢丹新宿本店以外の基幹店の売上高は、三越日本橋本店が同5.7%増の1616億円、三越銀座店が同18.5%増の1241億円だった。
オンラインの決算説明会に登壇した細谷敏幸社長は、伊勢丹新宿本店の好調について「入店数はコロナ前に完全には戻っていないが、一人あたりの買い上げ金額が上昇している。新宿本店は約70%が識別顧客(アプリ会員、カード会員、外商会員など)を占めており、このお客さまたちと深くコミュニケーションができた」と述べた。