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「バルクオム」が“12年変えなかった”スキンケアの処方を刷新 その狙いとは?

バルクオム(東京、野口卓也社長)が展開するメンズスキンケアブランド「バルクオム(BULK HOMME)」は、ブランドの中核であるスキンケア6製品の処方とパッケージを刷新し、3月12日にリニューアル発売する。処方の見直しは、2013年のブランドスタート以来初めてとなる。

男性化粧品市場は5年で1.8倍に

10日に都内で行われた発表会に登壇した野口卓也社長は、まず男性化粧品市場の近年の成長を示すデータを紹介した。インテージの統計データによると、2024年の男性化粧品の市場規模は前年比14.8%増 497億円、コロナ前の19年比では1.8倍に伸長した。そのうち基礎化粧品が438億円とほとんどを占め、「スキンケアによって、きれいな肌になりたいと考える男性が増えている」と分析した。

こうした男性の美容意識の変容に対応し、「バルクオム」も“男性のスキンケア入門ブランド”から“男性の自己実現を叶えるツール”へ進化する方針を掲げた。今回の処方リニューアルを機に、ブランドの主役を、スキンケアの初歩ともいえる“洗顔”から“化粧水”へとシフトするという。

主役は洗顔から化粧水へ

リニューアルの目玉となる新化粧水“ザ リペア ローション”(100mL、3630円)は、グリチルリチン酸ジカリウムを有効成分として配合し、医薬部外品を取得した。さらにアシタバエキス(保湿)、グリセリルグルコシド(同)といった医薬部外品だけの6つの美容成分を配合した。

さらにリニューアル商品全般に、独自コンセプトの成分であるトリプルサッカロイド®︎(グルコシルトレハロース、トレハロース、異性化糖)を配合した。油膜ではなく「糖」で肌表面を覆うことにより、男性が気になるテカリを抑えつつ乾燥から肌を守る新アプローチを採用した。新商品の“ザ シェービングフォーム”(150g、2970円)は、米発酵液を10%の高濃度で配合するなど、シェービングフォームではなく炭酸パックの発想で処方組みすることで、美肌ケアを追求する男性のニーズに応える。

“男性のスキンケア入門”から
“自己実現のツール”に

「これまで『バルクオム』は、他人ごとに考えていたスキンケアを、自分ごとに捉えるようになった男性のための、入門編のような役割を果たしてきた。この2、3年でスキンケアは男性の美容習慣としてかなり浸透し、より良い物を求められるユーザーが増えたが、われわれ『バルクオム』はその旗振り役となることができたと思う」と野口社長。「そして今は、男性の美容意識がさらに先へ進む過渡期にある。『バルクオム』は男性の『肌をもっと良くしたい』に応える、“自己実現”のためのツールとして進化していく」と語った。

男性の美容意識の変化に伴い、着実に拡大しているメンズスキンケア市場。「バルクオム」の12年ぶりの処方リニューアルも、成熟する男性の美容意識を反映するトピックであるとともに、市場のさらなる成長を見据えた戦略的な一手と言えるだろう。

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