「サステナブルコスメアワード」はこのほど、2024年度の授賞式を合同展示会「ニューエナジートーキョー(NEW ENERGY TOKYO)」で開催した。ゴールド賞は「プラレス(PLALESS)」の洗濯用固形石けん“パルセイユ プラレスソリッドランドリーソープ”、シルバー賞はモデルの水原希子が運営するウェルネスブランド「キークス(KIIKS)」の化粧水“竹水フェイスミスト”が受賞した。
同アワードは環境省「つなげよう支えよう森里川海プロジェクト」アンバサダーの有志が発起人となり、2019年にスタートした。審査員には、アイスタイルの山田メユミ取締役・共同創業者や講談社の関龍彦「FRaU」編集長兼プロデューサーなど環境・メディア・化粧品企業など多分野からの専門家を起用し、事務局運営と審査には学生の環境活動家も交えている。
今年度から、コスメに限らずにランドリーやフレグランス、サニタリーなどと応募枠を拡充した。ゴールド、シルバー、ブロンズ賞のほか、アップサイクルやカーボンニュートラルなど9つの部門からなる審査員賞、企業としての取り組みを評価する企業賞を設けている。
ゴールド賞を受賞した“パルセイユ プラレスソリッドランドリーソープ”は、美容薬理が展開する液体から固形へ形状を変えることでプラスチック容器を不要にした洗濯用固形石けんだ。審査員からは「100%自然由来成分で全くプラスチックを使用せずゴミが出ない、一回分ごとに固形化された無駄なく環境負荷が極めて少ない洗濯石けん」と評価された。美容薬理の金井誠一社長は、「洗剤こそがスキンケアだという思いで25年ほど会社をやってきて、その集大成とも言える製品となった。今後も環境に貢献していきたい」とコメントした。
シルバー賞の “竹水フェイスミスト”は、山林を侵食する竹害の課題を背景に、その改善や竹水の活用を目指して製造したアイテムだ。ブランドマネージャーを務める水原希子は「自分が安心して使えるナチュラルコスメを作りたいという思いでブランド始めたが、素材や成分のことなど産地の人やメーカーの人など、本当にたくさんの人にサポートしてもらった。その人たちの思いも背負ってこれからも続けていきたい」と話した。
審査員賞を含め3つ以上賞を取った“殿堂入り”は「ヴァーチェ(VIRCHE)」の“マルラオイル”、「華密恋」の“薬用入浴剤”、ビューティバーブランド「エティーク(ETHIQUE)」の“リップ バーム”、“シャンプー バー ピンカリシャス” 、“コンディショナー バー ザ ガーディアン”だった。
企業賞は、殿堂入りにも多数ノミネートした「エティーク」の日本販売を行うピー・エス・インターナショナルが受賞した。梱包資材などのエシカル化で環境負荷の軽減に努めるほか、売り上げの一部の寄付活動などを積極的に行っている。
審査員長を務める岸紅子氏は今回のコンテストについて「地域に何を貢献できるか、自然をどう再生するかを深く考え抜いているブランドが増えた。1つ1つのブランドが掘り下げてく深度も高まっており、各々の哲学を強く感じた」とコメント。一方で、「小さなブランドが多く、全国規模や世界規模のメガブランドになるには時間がかかる。ただ、メガブランドになることだけが良いわけではない。地球の資源は有限。適正なマーケットに適正な形で、それぞれの事業ができることが大事だ。それを楽しんでくれる多様な人がさらに増えていくといい」と総括した。