ユナイテッドアローズの2024年4〜12月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比38.1%増の80億円、純利益が同19.0%増の50億円だった。例年以上に高温で推移した10〜12月、気温に左右されない商品企画に手応えがあった。特にジャケットやパンツ、ブラウス、カットソーなどの中軽衣料において、オン・オフのシーンを問わずに着られる提案が響いた。比重を増やしたシューズやバッグなどの服飾雑貨や、同社の35周年を祝う商材といった話題性のある商品も売り上げに貢献した。寒さが本格化して以降は、従来の防寒衣類に加え薄手のリバーコートやカーディガンなどを強化し広くニーズをカバーできたと見る。
売上高は同13.3%増の1129億円と、昨年11月に上方修正した予想を超えた。ユナイテッドアローズ単体の既存店売上高は同12.2%増、客数は同10.3%増だった。販売チャネル別では、注力しているOMO施策が実を結び、ネット通販(EC)が同17.9%増と堅調な伸びを見せている。昨年10月に“おもてなしアプリ”をコンセプトに公式アプリをリニューアルした。この1月にも来店時にEC上でお気に入りに登録した商品の在庫をアプリ上で確認できる新機能「店内モード」を追加し、利便性を向上させている。販管費はテレビCMなどの広告宣伝の強化や給与のベースアップなどで前年から10.9%増加したものの、売上高の伸調で販管費率は1.0%抑制した。
連結業績は好調に推移した一方で、子会社のコーエンは在庫評価損の計上などによる売上総利益率の低下、人件費や広告宣伝費の増加で増収減益だった。これを受け、従来予想は据え置く。25年3月期連結業績予想は、売上高1509億円、営業利益77億円、純利益45億円の見通し。来期(26年3月期)に向けても「柔軟な商品企画力を磨いていく」と松崎善則社長執行役員CEO。特にカジュアルウエアを軸とする「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」においては、「まだまだ改善の余地がある」と見る。