ビューティ
特集 CEO2024 ビューティ編

【プロテックス・ジャパン/ハホニコ 酒井良明CEO】美容師をサポートして存在価値の向上に貢献する

PROFILE: 酒井良明/プロテックス・ジャパン社長兼CEO、ハホニコ会長兼CEO

酒井良明/プロテックス・ジャパン社長兼CEO、ハホニコ会長兼CEO
PROFILE: (さかい・よしあき)1962年、愛媛県出身。美容師、ヘアケアメーカー勤務を経て、98年に化粧品OEM企画・製造メーカーのプロテックス・ジャパンを設立。翌年自社ブランド「ハホニコ」を立ち上げる。同年から現職 PHOTO:CHIE FUKAMI

化粧品OEM企画・製造メーカーのプロテックス・ジャパンは、原料開発から企画、製造、流通まで一貫して手掛け、プロフェッショナルからの信頼を長年にわたり集めている。傘下のヘアケアメーカーのハホニコはヘアサロン専売品にとどまらず、リテール商品もプロデュース。両軸で成長を続けている。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

身だしなみ文化をサポートし
美を通して世界に貢献

WWDJAPAN(以下、WWD):2023年はどのような1年だったか。

酒井良明CEO(以下、酒井):ヘアケアという視点では、サロン業界で注目度の高い酸熱トリートメントが一般市場にも進出し、進化が続いている。酸熱トリートメントは使いこなせるサロンと、そうでないサロンがあるほど、取り扱いに技術が必要とされるものだが、最新の商材では誰が施しても良い質感に仕上げることができるまでに進化した。22年ごろから酸熱トリートメントの開発とブラッシュアップに力を注いできて、実を結びつつある。それを象徴したのがハホニコのヘアケア「レブリ」シリーズの好調だ。サロンメニューとホームケアが連動していて、プロからもエンドユーザーからも人気だ。

WWD:「レブリ」シリーズの特徴は?

酒井:毛髪はエイジングやケミカルダメージによって、痩せ細り、歪んでしまう。そんな毛髪に対して、表面的なケアではどうしても美しい髪には仕上がらない。そこで「レブリ(LEVULI)」シリーズでは、毛髪の歪みを緩和させ真円にしていく真円技術を採用した。毛髪内部から太らせるようなイメージをしてほしい。毛髪内部に栄養が補給されることでふっくらとして、表面のシワ、つまりはクセが治まる。死活細胞の毛髪にアプローチするトリートメントの革命だ。

WWD:酸熱トリートメントはこれからも進化する?

酒井:もちろんだ。多くの人にホームケアでも質の高い提案ができるように、今年はさらに強化していく。新たな原料と商品で髪質改善をプロと一般の双方に打ち出す。OEMでも酸熱トリートメントの需要が高まっているので、応えていきたい。

WWD:プロ向けと一般向けの商材の垣根は年々低くなっているように思うが、商品を作る上で意識していることはあるか。

酒井:これからの時代は商材を用いた上でプロにしかできない工程や技術に、さらに磨きをかけて存在価値を作っていく必要がある。対して、一般向けの商材は家庭で、セルフで、という限られた環境の中でもできる、かゆいところに手が届くような提案をする必要がある。この違いを生かして、プロによるケアとセルフケアとを上手く連動させた商品提案をしていきたい。

WWD:プロが介在するか否かは、確かに大きな違いだ。

酒井:美容師にしかできない技術があるので、そこを極められるような商品を作っていきたい。昨今は心理カウンセラーや美容医療に注目されることも増えたが、専門家のもとできれいを磨いてほしい。ヘアケア、さらには美容の専門家として、誰よりもその人のことを理解し、お手本となり、時に褒め、勇気づけるのが美容師。プロがいる人生と、そうでない人生とでは、幸福度は大きく違う。それにあった商品を提供しようと考えると、プロ向けと一般向けの商材ではおのずと違いが出てくる。

WWD:OEMについてはどうだったか。

酒井:全体の割合としてはヘアケアが依然として高いものの、スキンケアで、特にドクターズコスメの依頼が非常に増えている。カウンセリングを通じて悩みを改善できるようにドクターの要望に応じたスキンケアの開発を行っている。一般消費者の目利き力が上がり、優れた物のみが拡散される中で、こだわりの商品を作れることを評価してもらえた。ゆくゆくはハホニコからスキンケアを提案することも視野に入れている。というのも、プロ向けに関してはヘアケアに特化しつつも、一般の消費者には「ハッとして、ホッとして、ニコッ」というハホニコの社名に込めた思いを体現するのにスキンケアも欠かせないと考えているからだ。

WWD:23年は新たにペット事業をスタートさせたのも印象的だった。

酒井:1人の社員がきっかけでペット事業部を立ち上げた。ペット市場に目を向けると、決して人間には使わない成分を使った商品が横行している。例えばペット用のシャンプーは雑貨に分類されるため、成分表示が義務付けられていない。皮膚や毛にダメージを与えてしまう成分が含まれていることも。ペットを飼っている人にとっては大切な家族の一員にもかかわらず、作り手との愛情の差に疑問を持った。未知の市場ではあるが、ヘアケアを扱ってきたからこそ成分や商品の価値基準は分かる。たとえ売れなかったとしても、存在意義のある商品を作ることに意味があると思っている。

WWD:24年に取り組むことは?

酒井:世界中を見ても、これほど髪の毛を洗って、スタイリングをするのは日本人だけ。これほど自分でケアをして、スタイリングをして、身だしなみにお金をかける国民性は稀。そんな身だしなみ文化をサポートしていきたい。美しくなると心が穏やかになる。美意識が高くなるとそれだけ平和になる。美を通して世界に貢献し、リーダーシップをとっていきたい。

会社概要

プロテックス・ジャパン/ハホニコ
PROTEX JAPAN/HAHONICO

1998年創業。化粧品・医薬部外品の研究開発および製造を行い、ヘアサロンのOEMなどを手掛ける。99年には自社ブランド「ハホニコ」を立ち上げ、2002年にハホニコ販売事業部から株式会社に組織変更。ヘアサロン専売品や一般流通商品も販売する。09年、京都府に研究所および工場を、16年には愛媛県に原料栽培から製造まで取り組む森の国ファームファクトリーを設立

問い合わせ先
プロテックス・ジャパン
お問い合わせフォーム

TEXT:NATSUMI YONEYAMA

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