※この記事は2023年06月28日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「WWDJAPAN」の最新号は、リアルトレンド特集。ウィメンズチームが先月、今月と展示会をガシガシ回り、足で稼いだ43ブランドの2023-24年秋冬の提案をまとめています。
紙面を校正していて、気になるフレーズを見つけました。特集をリードした本橋記者が編集後記で語った一節です。「アパレルブランドの多くは、コロナ禍で苦境に立たされたことで『ブランド独自の提案をしよう』という流れになっていたんです。でも数字がついてこなかったという正直な声も聞こえていて……」とあります。
実際、その通りなのでしょう。本橋記者が言う通り、そして上の記事で紹介する通り、アパレル各社は「着て気持ちが高揚したり、存在感があったりするもの」作りに果敢に挑みました。結果、私のような人間には今の売り場は楽しくて仕方ないのですが、「着られる服がないよ……」なんて感じてしまう人もいるかもしれません。編集後記で本橋記者が語る通り、「リアルトレンドは塩梅が難しい」ですね。
そこで思うのは、「コンテンツとプロダクト、リアル」の提供を目指して、今度は「リアル」に挑戦してみない?ってことです。
「コンテンツとプロダクト、リアル」は、私のアイデアじゃありません。上の記事にある通り、宮永えいとさんがメンズコスメの普及に必要と考えるのが、「コンテンツとプロダクト、リアル」です。宮永さんは、人気ヘアサロンの「フィフス」と協業して、ワックスを発売しました。そこで意識したのが、「コンテンツとプロダクト、リアル」。このワックスが売れている理由は、「ワックス(=プロダクト)の発売にあたり、スペシャルコンテンツとしてLPを作りました(=コンテンツ)。そこから『フィフス』のスタイリストの予約が取れる(=リアル)ようにしています」というワケ。実際「WWDBEAUTY」のベストコスメでも、宮永さんがプロデュースしたヘアワックス「レタッチ」の“ニューウェーブ”は、スタイリング剤のナンバーワンに輝いてます。宮永さんは、「コンテンツとプロダクト、リアル」がメンズコスメの普及に欠かせないと語りますが、コレって、他も同じですよね?
例えば、「ヲタ活」なんか代表的だと思うんです。ここではむしろ「リアル」が強いかもしれませんね。インスタグラム(=コンテンツ)で存在を知り、推しキャラのぬいぐるみ(=プロダクト)を持って、推しカフェに行ってぬいぐるみと一緒にフード&ドリンクを撮影(=リアルであり、コンテンツです)は、まさに「コンテンツとプロダクト、リアル」が三位一体となって、ヲタの消費意欲を盛り上げた典型と言えるでしょう。
つまり「でも数字がついてこなかった」というブランドには、「コンテンツ」と「リアル」も必要なんです。中でも、そろそろ「リアル」に注力すべきではないでしょうか?
チラホラと聞こえてきますが、秋から冬にかけては、リアルイベントが開催できそうな場所がどこも大人気だそうです。「WWDJAPAN」でさえ、リアルなセミナーの開催場所を押さえるのに苦労しております(苦笑)。予約の多くはリアルイベントに積極的なラグジュアリー・ブランドによるものかもしれませんが、いくつかは日本のアパレルメーカーによるものであることを願って、イベント三昧になりそうな秋冬に備えて、体力をつけたいと思います(笑)。
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