「ユニクロ(UNIQLO)」2022-23年秋冬展示会レポートの後編は、外部クリエイターとの協業ラインについて詳報していきます。なかでも最注目なのが、4シーズン目となる「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI以下、マメ)」との協業ラインです。引き続き、「下着と洋服の境界線を越える」をコンセプトにしており、今季はグリーンやカーキのグラデーションがキーカラー。ユニクロの通常ラインにはない、シルク混やウール混のヒートテック素材を新たに開発しています。
外部のクリエイターやデザイナーとのコラボコレクションは1〜2シーズンのみで終了というケースもありますが、「マメ」コラボはすっかり定着。「ユニクロ」側の担当者も「なるべく長く続けていきたい」と以前話しており、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)率いるパリR&Dセンターによる「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」や、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)との「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン(UNIQLO AND JW ANDERSON)」などと同様、期間を限定せず今後も続いていくのでは、といった印象を今季はより強く感じました。
22-23年秋冬の「マメ」とのコラボでは、独自開発したというシルク混ヒートテック素材で、タンクトップとブラトップの2型を企画。ウール混ヒートテック素材ではクルーネックとタートルネックのトップス、ロングパンツの3型を企画しています。どれも「マメ」らしい繊細な質感やカットが特徴。3Dニットでは、今季はビスチェやハラマキ感覚でも使えるショートパンツなどを作っていました。新アイテムのソックスやタイツも店頭で人気となりそうです。ブラジャーやブラカップ付きキャミソールなどは、有機的なカーブのカッティングはそのままに、前シーズン同様どれも1ミリ単位で調整を加えて、着心地をさらに向上させているそうです。「マメ」とのコラボラインについては、価格をまだ公表していません。
ジョナサン流のウルトラライトダウンが登場
「ユニクロ ユー」は引き続き、日に焼けてあせたような独特のきれいな色使いがポイント。今までもメンズ商品を女性客が買うケースやその逆は多かったと言いますが、今季は初めて、企画段階から完全にユニセックスで作ったアイテムがあります。それはポケッタブルのロングコート(9990円)とスイングトップの2型。プレミアムラムニットの肉厚カーディガンやクルーネックセーターも目立っていました。バケットハットはブロックテック素材で、実用性とファッション性のどちらも追求するルメールのこだわりを感じました。
5周年の「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン」は、ウルトラライトダウン(7990円)や防風仕様のフリース(5990円)など、「ユニクロ」の強みアイテムをジョナサン流にアレンジした商品が豊富。ウルトラライトダウンは、「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン」では初登場だと言います。切り替えにより裾が波打つシルエットのスカートなどは、いかにもジョナサンらしいと感じるデザインです。ジョナサンのイチオシという商品は、トラックジャケットとトラックパンツのリラックス感のあるスタイリングでした。
全店閉鎖の「コトニエ」もユニクロ事業内で運営
ほか、仏人モデルのイネス・ド・ラ・フレサンジュ(Ines de la Fressange)との協業ラインや、英国出身のデザイナーが手がける「ハナ・タジマ(HANA TAJIMA)」との協業ラインも22-23年秋冬も継続しています。「ハナ・タジマ」ラインは、華やかなドレスをそろえていたのが印象的。ムスリム女性のヒジャブとしても使えるそろいのスカーフも企画しています。
また、5月8日をもって国内の全単独店舗を閉め、ECも閉鎖したファーストリテイリング傘下の「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)」も、今後は国内はユニクロ事業の中で展開するそうです。東京・銀座の「ユニクロ トウキョウ」ではコーナー展開を続けているほか、6月24日からは「ユニクロ」のEC内でも商品が買えるようになります。