毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年7月12日号からの抜粋です)
北坂:上位10社のラインアップってなかなか変わらないのですが、今年は「イソップ(AESOP)」や「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」を傘下に持ち、訪問販売のエイボン(AVON)を買収したブラジルのナチュラ&コー(NATURA & CO)が初めてランクインしたのが印象的でした。逆に資生堂はずっと5位や6位でアジアの大企業のポジションをキープしてきましたが、今年複数のマス向けブランドを売却、「ベアミネラル(BAREMINERALS)」も手放すウワサがあるなど、一気に規模が縮小するかもしれません。来年もトップ10の中で変動がありそうだなと思いました。
村上:「ダムダム(DAMDAM)」が日本初のクリーンビューティブランドとしてセフォラで販売されるようになったけど、「タッチャ(TATCHA)」含め海外の人が日本の良さを生かしたJビューティが世界で認知されるようになってきていて、正直もっと日本企業頑張れ!と思った。いまだに資生堂は「ドランクエレファント(DRUNK ELEPHANT)」(2019年)、コーセーは「タルト(TARTE)」(14年)の買収を誇らしげに語るんだけど、それ以降、首位のロレアル(L'OREAL)などの海外勢はもっと多くのブランドを傘下に収めている。今以上のアグレッシブさやスピード感が欲しいな。北坂:スピード感は、韓国や中国にも負けていると感じますね。中国企業もランクインし始めています。日本はよくも悪くも育ててきたブランドを大事にしますが、資生堂の「ツバキ」などの売却は潔いと思いました。Jビューティは、質は世界一だと思いますし、ヘアも技術力がすごく高いです。うまく世界に伝えきれていなくて、もったいないです。
村上:日本企業は質の追求についてはすごいけど、今はいろんなゴールがあっていい時代で、マインドセットの転換が必要だと思う。大手企業は積極的に出資やM&Aすべきで、D2Cブランドをサポートするプラットホーマーになっていくべき。そういう意味で、海外勢はすごくアンテナを張っている感じがする。日本企業ももっと多様でアクティブであるべき!一緒に頑張りたいと思った。
北坂:同感です。私たちもアクティブに頑張りましょう!