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海外オフィス増強、伊コンテスト受賞 国際ファッション専門職大学の実践教育はコロナ禍でどう進んだ?

 ファッション専門学校のモード学園などを運営する日本教育財団が昨年開学した国際ファッション専門職大学の特徴は、職業に直結した実践的教育カリキュラムだ。今年はコロナ禍で授業内容が制限された中でグローバルな体制強化とプログラムの充実を見せた。

 姉妹校のパリ校(CREAPOLE)に加え、海外オフィスを上海と台湾のほか、今年ミラノとニューヨークにも設置。海外研修・実習や留学時のサポートから、海外企業や教育機関との連携、また海外から直接入学する際の相談まで担う体制を5つの拠点で整えた。

 また、デザインスクールに通う学生や若いクリエイターを対象としたイタリアのコンテスト「第6回国際イントレック シンカンティエ レ コンペティション」に参加。革製品、ジュエリー、靴、インテリアデザイン、舞台衣装の5部門に全世界15カ国から105人の学生が参加した中から同大学ファッションクリエイション学科の2人が舞台衣裳部門で受賞した。

 舞台衣裳部門はイタリアの芸術祭「トーン・オン・ザ・ストーン・ファンデーション&フェスティバル(TONES on the STONE Foundation & Festival)」との合同プロジェクトで中世の魔女狩りをテーマとしたオペラで使う衣装をデザインしたもので、受賞作はイタリアの職人によって製作されるという。

 また、国内でも臨地実習として先ごろ東京・押上の東京ニットファッション工業組合の加盟企業を訪問し、川合染工場の製品染め、川島メリヤス製造所の横編みニット製造、アートランドの手捺染製造などを見学した。ファッションビズネス学科2年の木村アリス美南さんは、「川合染工場では、植物や果物など自然のもので染めて、環境への配慮が素晴らしいと思った。服を作る過程で汚染されているのが問題になっているので、この工場のような方法が増えたら、環境問題も改善されるのではないか」。ファッションクリエイション学科2年の森下あやめさんは「アートランドでは、手作業で模様をプリントしているのが新しい発見だった。今は大量生産が増える中、手作業で手間や時間をかけていることがわかった。手作業のほうがプリントに味が出ていてよかった。このことをもっとたくさんの方に知ってほしい」と感想を話した。

 同大学は3、4年次に300時間の実習を義務付けており、アフターコロナに向けてグローバルな教育カリキュラムのさらなる充実を目指す。

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