ビューティ

元「シマ」の人気美容師が手掛けるヘアメディア「ララ」が成功している理由は?

 人気美容室「シマ(SHIMA)」に11年間勤務し、在籍中には売り上げNo.1を獲得。「シマ ギンザ アネックス(SHIMA GINZA ANNEX)」のオープニングではディレクターを務めるなど、美容師としての成功を手にしていた下川直人LALA代表。そんな彼が美容師を辞めて2018年2月に自身で始めたのが、“運命の美容師に出会える”ウェブメディア「ララ(LALA)」だ。現在、インスタグラムのフォロワー数は22万を超え、ウェブサイトの月間PV数は120万超えと多くのファンを獲得している。まったくの素人が作った「ララ」がなぜ人気となったのか、下川代表にその理由を聞いた。

WWD:どうして「ララ」を始めようと思ったのか。

下川直人(以下、下川):「シマ」に在籍していたときから美容師検索サイトはいくつかあったんですが、ほとんどが掲載料や広告費を払えば載れるもので、一般の消費者の満足度を最優先に考えているサイトはあまりないのではないか――ということを常々感じていました。それなら自分でウェブサイトを作ろうと思ったのがきっかけです。

WWD:現在、美容師はやっていない?

下川:今はやっていません。「シマ」の中で目標としていた売り上げNo.1を獲得した後、以前から興味を持っていたウェブメディアに専念しようと決意し、退社してから独学でウェブサイトの作り方を勉強しました。

WWD:「ララ」の特徴は?

下川:既存の美容師検索サイトとは違って、美容師から掲載料などはもらわず、自社編集のメディアであること。加えて元「シマ」の美容師だった僕が、プロの目線と消費者目線で本当にいいと思う美容師を厳選して掲載しているのが特徴です。

WWD:たしかに元「シマ」のNo.1美容師が厳選しているというのは、かなりの強みになる。

下川:“運命の美容師に出会える”をコンセプトにしていて、このメディアを通して、一般の消費者がいい美容師に出会えることを目標としています。クオリティーを保つために、オフィシャルサイトにはこちらが厳選した“オフィシャルスタイリスト”のヘアのみを掲載しています。掲載させてほしい美容師には、こちらから声をかけさせています。それ以外の人は、公式インスタグラム(@lala__hair)のアカウントにタグ付けしてもらえれば、こちらでピックアップすることもあります。「ララ」オフィシャルサイトでは消費者自身が選べるよう、ヘアスタイルの画像に加えて料金、時間、スタイリング剤、美容師の紹介動画も掲載しています。

WWD:「掲載してほしい」という美容師も多いのでは?

下川:そうですね。ただクオリティーを保つために厳選しているので、そこは慎重に審査させてもらっています。非公表ですが掲載基準もあります。掲載に関しては、サロン単位ではなくスタイリスト単位になっていて、肩書きや経歴なども関係なく選んでいますので、同じヘアサロンでもこの人はOKでこの人はNGというケースもあります。

SNSをきっかけにメディアが成長

WWD:「ララ」は最初から順調だった?

下川:全然でした。最初の10カ月はかなり苦戦していて、正直もうやめようかと思った時期もありましたね。そうするうちに、昨年末あたりからインスタグラム経由で広まって、成果が出始めました。

WWD:インスタグラムはサイトのスタートと一緒に始めた?

下川:そうですね。美容師のときにインスタグラムを活用していたので、インスタグラムは重要だなと感じていました。今は「ララ ヘア」「ララ ヘアアレンジ」「ララ ビューティ」の3つのアカウントを運営しています。フォロワー数は「ヘア」が22万超え、「ヘアアレンジ」が15万超え、「ビューティ」が2万7000超え。一方でインスタグラム以外にもピンタレストも人気で、月間閲覧者数178万ほどでそこからの流入も多いですね。サイトの方は月間のPV数は120万まで成長しました。

WWD:インスタグラムのフォロワー数は一気に伸びた?

下川:緩やかに伸びたという感じですね。毎日500~600人ほど増えていきました。最初の頃は1日4投稿と決めて、毎日投稿していました。そこから少し絞ってブランディングしていきたいと考え、今は1日1投稿になっています。

WWD:マネタイズはどのようにしている?

下川:メーカーとのタイアップ広告と、サイト内のスポンサーリンク、製品のアフィリエイトなど分散して収益があるように考えています。基本的に美容師を応援することを目的としているので、今後も美容師、美容室から広告費をもらうことは考えていません。

WWD:「ララ」ではどんなヘアが人気なのか。傾向はある?

下川:ヘアカラーだと“ロートーン”や“オレンジベージュ”、ヘアスタイルなら“マッシュショート”“ハンサムショート”“切りっぱなしボブ”などのキーワードは人気です。掲載するヘアスタイルに関しては、先ほども言いましたが、美容師ではなく一般女性が見て「かわいい」と思えて、自分でもやってみたいと思えるヘアを意識しています。だから画像も作品ではなく、スナップに近い感じのヘアを紹介しています。

WWD:「ララ」の目標は?

下川:“本当にいい美容師が掲載されている美容師検索サイト”としてのポジションを確立したいですね。それができれば、もっと美容師をサポートできると思います。

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