
ノットアホテル(NOT A HOTEL)は5日に記者会見を開き、「モビリティー」「住宅」「街づくり」の3領域へ新たに参入すると発表した。それぞれの事業領域において、3つの事業子会社を設立。これらの事業会社を束ねるノットアホテルは、10月2日付で社名をノタ(NOTA)に変更した。
陸・海・空のモビリティーが月額19万8000円で乗り放題
モビリティーを担う子会社ノットアガレージ(NOT A GARAGE)は、ヘリコプター、クルーザー、クルマを何度でも利用できるサブスクリプションプラン「ノットアガレージクラブ(NOT A GARAGE CLUB)」を始動する。初期費用は1590万円、月額管理費は19万8000円で、契約期間は5年となる。初期募集は20口に限る。まず東京から始め、東京ヘリポートを拠点に北軽井沢やみなかみなど関東近郊のノットアホテルへ向かうヘリコプターと、東京や横浜のマリーナを拠点とするクルーザーを用意する。クルマは対象のノットアホテルに滞在する際に使える。燃料代などは別途チャージされる。
ノットアガレージの江藤大宗CEOは「プライベートモビリティーを、より身近なものにしていく」と狙いを語った。6人乗りのヘリコプターなら、北軽井沢まで1人当たり1万1000円で行ける計算だという。株主のトヨタ・インベンション・パートナーズやトヨタ自動車と組み、モビリティーを受け入れるインフラの開発にも乗り出す。
NIGO®デザインのジェット機を共同所有できる
新たに、NIGO®が外観からキャビンまでクリエイティブディレクションを手掛けたビジネスジェット“ニゴージェット(NIGO JET)”の共同所有の販売も始めた。ガルフストリーム(GULFSTREAM)の“G500”をベースに、外観にマットカラーを採用し、キャビンにもNIGO®の感性を反映する。G500を日本を拠点に運航するのは初めてとなる。航続距離は約9800kmで、ロサンゼルスやシドニーへの直行にも対応する。運航開始は2027年12月の予定で、成田国際空港を拠点とし、所有期間は8年間を見込む。運航や整備、乗員、保険は同社と運航会社が担う。購入条件などは別途案内する。
6980万円からの規格住宅“ポッド”
ノットアハウス(NOT A HOUSE)は、ノットアホテルが初めてデザインする住宅“ポッド(POD)”の予約を始めた。価格は1棟6980万円からとなる。間取りはスタジオタイプから3ベッドルームまでそろえ、複数のインテリアとエクステリアから選べる。ノットアホテルで使うスマートホームの仕組みも導入し、調光や空調などをタブレットで操作できるほか、スマートフォンのアプリからも使える。同社によると、スマートホームの仕組みを社内で内製化し、コストを抑えた。月額1万6500円で、全国のノットアホテルに年3泊できるオプションも用意する。
ノットアハウスのトップを務めるのは、ゴールドマン・サックス証券を経てGENDAを共同創業し、25年4月まで社長を務めた申真衣CEOだ。「美しく心地よく過ごすことが当たり前になる、住まいの次のスタンダードをノットアハウスが作ります」と語り、規格住宅で展開する理由を「戸数の多いマンションが売り買いしやすいように、同じデザインの家が数多くあれば、それがスタンダードになり、価値を評価しやすくなり、建てた後も動かせる“資産”になれる」と独自価値を説明した。
旧帝国ホテルプラザで約4年間限定の「ノットアミュージアム」
街づくり事業を主導するノットアシティ(NOT A CITY)は、手始めとして、帝国ホテル 東京 タワー館1〜4階で24年3月に営業を終えた旧帝国ホテルプラザ 東京(約2000坪)で、カルチャーの複合空間「ノットアミュージアム(NOT A MUSEUM)」を27年夏に開業する。オープン期間は31年3月までの約4年間となる。設計事務所ダイケイミルズ(DAIKEI MILLS)の中村圭佑氏を中心に発足したスクワット(SKWAT)と企画から運営までを手掛け、アートやブック、ミュージック、ファッション、シネマを現在進行形で体験できる場にする。
森ビルで麻布台ヒルズなどの企画に携わったノットアシティの大森みどりCEOは、「これまで、まちづくりの文脈では文化はオマケのように考えられていた。われわれは街を作ってから文化を付け足すのではなく、文化から街を作る」と構想を述べた。同社は三菱地所と共に、有楽町駅前で27年春に開業予定の「ジャパバレー東京(JAPA VALLEY TOKYO)」も構築を進めている。