化粧品を作り、売る。各社はその第一義的な役割を超え、自社の資産を使った活動により、社会との接点を広げている。地域との共創、インクルーシブな美容提案、無意識の偏見への気付きの提供、顧客参加型の子ども支援。業界の枠を超えたつながりや、そこで得た知見は、製品だけでは伝えきれない企業・ブランドの価値として積み重なっていく。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
鏡ありきの前提を問い直したメイク動画
POINT
メイクを楽しみたい気持ちは誰でも同じ
花王が2025年12月に公開した動画「ミラーレスメイク」は、視覚に障害がある人や見えにくさを感じる人に向けて、鏡を使わずにメイクを楽しむための手法を届けるコンテンツだ。同取り組みを先導した岩谷冴夏ビューティスペシャリストは、化粧品事業部の美容部員時代に引き継いだ視覚障害者向けセミナーをきっかけに、動画制作のプロジェクトを構想した。「友人と同じコスメを使いたいし、はやりのコスメも気になる。そういった気持ちは変わらない」。見えにくさを感じる人たちの美容への関心を十分に理解できていなかったことを痛感したという。
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