ファッション

「ルルレモン」の人気レギンス“アライン”が10周年 独自の“サイエンス・オブ・フィール”に支持

カナダ発のアスレチックウエアブランド「ルルレモン(LULULEMON)」で、2015年の発売以来、ブランドを代表する人気商品となっているのが、レギンスの“アライン(Align)”シリーズだ。このたび発売10周年を迎え、改めて“アライン”の魅力を発信する3日間の体験型イベントを東京・原宿のAEAJグリーンテラスで開催。“アライン”シリーズの多様なアイテムを展示した会場内で、メディア関係者やスタイリストに向けた、トークイベントやフィットネスセッションも行った。

トークイベントに登壇したのは、リサーチ&プロダクトイノベーション部門のアントニア・イアマルティーノ シニアディレクター。“アライン”の他にも、“エナジー ブラ(Energy Bra)”や“ダンス スタジオ パンツ(Dance Studio Pant)”“デファイン ジャケット(Define Jacket)”など、「ルルレモン」の多くのヒットアイテムを生んできたデザインチームを率いている。10年前にどのような経緯で“アライン”を開発することになったのかや、素材選びで重視したこと、“アライン”が支持される理由などを紐解いた。

トークイベントの後は、会場でそのままヨガとピラティスのセッション。ゲストとして、モデル兼タレントの野崎萌香さんと、Netflixの恋愛リアリティーショー「オフラインラブ」にも出演していたブランドプロデューサーのカナカさんも参加し、“アライン”の特徴である素肌と一体になったかのような柔らかさと、まるで何も身に着けていないかのような解放感をセッションの中で体感した。また、セッション後には「日々のセルフケア」や「自分を慈しむ時間」について、それぞれが行なっていることもシェアし合った。

アントニア・イアマルティーノ
リサーチ&プロダクトイノベーション部門シニアディレクター

ーー“アライン”の誕生のきっかけは。

アントニア・イアマルティーノ 「ルルレモン」リサーチ&プロダクトイノベーション部門フランチャイズイノベーションズ シニアディレクター(以下、アントニア):10年前に「ルルレモン」のR&Dチームに参加し、体を動かすときにウエアが人々の感情にどう影響するのかを追求してきた。それが「ルルレモン」独自の哲学である“サイエンス・オブ・フィール(Sience of Feel)”だ。実際に身につけたときにどんな気持ち、感触、感覚になるのかという点を科学的に検証し、体験と紐づけてプロダクトとして形にすることをわれわれは重視している。

ある時、ヨギー(ヨガ愛好家)たちに「次なる『ルルレモン』のヨガウエアに何を求めるか?」「運動中にどんな感覚でいたいか?」とヒアリングした。返ってきたのは、快適さ・軽やかさの追求や、動作中に自由を感じたいといった声。当時市場に出ていたウエアは締め付け感が非常に強く、動きやすさや心地よさに限界があった。そこから、“アライン”の開発では、いかに自由に動ける素材にするかという点に集中した。

ーー“アライン”シリーズが他のアクティブウエアと最も異なる点は何か。

アントニア:2点ある。1つは「ヌル(Nulu)」というポリウレタン繊維。しっとりとソフトで極上の温かみがあり、四方に伸びるストレッチ性と滑らかな表面感のある独自素材だ。超極細の糸を起毛加工している。吸汗発散性にも優れ、“アライン”を非常にユニークなものにしている。2つ目は必要なものだけが備わったミニマルなデザイン。肌に当たるストレスを軽減するためにフラットな縫い目を採用し、「ヌル」にうまく合うように作っている。

ーー“アライン”というモデル名に込めた意味は。

アントニア:ヨガをしていると“アライメント”、つまり整える、配列させるといった、骨や骨格筋を正しい位置に整える意識が非常に重要だ。ヨギーたちと一緒に製品テストを重ねる中、締め付け感が少ないのに体にフィットして動きやすい、あらゆる“アライメント”にフォーカスした製品を開発していった。そんな経緯から、このネーミングにした。

ーー“アライン”は発売以来、どのように進化してきたのか。

アントニア:原点であるレギンスのほか、ショーツタイプやジョガータイプなど数多くのデザインを開発し、同時にスペシャルエディションとして、コラボレーションにも力を入れてきた。ディズニーや、2024年にはオリンピック、パラリンピックとの協業も行った。この10年、われわれは常にカスタマーからのフィードバックによく耳を傾けてきた。その中で非常に大きなリクエストとして、「パンツの正面の縫い目がない方がいい」という希望があった。その意見をもとに“アライン”の機能性や感覚を失うことなく、縫い目のないパンツを形にしたのが、最新のプロダクト“アライン ノーラインハイライズパンツ”だ。

ーー“アライン”が支持される理由をどう考えているか。

アントニア:着用すると、まずは自分に対する自信を思い出させてくれる。そして一番すばらしいのは、「身につけるものによって気をそらされることがない」点だと思う。しっかりと身体に沿って素材が留まり続けるため、今この一瞬にしっかりと自分の意識を向けることができる。ヨガのクラスだけでなく、仕事中や友人とコーヒーを飲みに行くときなど、さまざまな場面で非常に快適で、心地よい安心感を得られるはずだ。リラックスした感覚でいられるため、都市部で忙しい生活をしている人たちにもマインドフルネスを意識してもらえると思う。私自身も、“アライン”を着るたびに自分に自信を与えてくれるように感じ、ヨガのレッスンでも必ず使っている。2人の子どもの出産時にも非常に役立った。

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