
「WWDJAPAN」は東京拠点のデザイナーズブランドの2025-26年秋冬コレクションから、8つの注目トレンド「デザイン豊富なニット」「進化系トレンチ」「ファー&ボア」「テーラードルック」「ユーティリティーウエア」「ベストや袖なしジャケット」「セットアップ」「シアー素材」をピックアップした。
これを踏まえて、国内の有力店バイヤー6人が“売れる”を基準に5段階評価でジャッジ。評価の高い順に紹介するほか、中でも一押しのブランドを選出してもらった。今季のキーワードは、「暖冬」「実用性」「軽やかさ」「エレガント」。デザイナーは重厚アウターの提案を控え、レイヤードやデザイン力を駆使した提案を幅広く見せている。
■参加バイヤー
・源野里沙子/阪急うめだ本店D-LABバイヤー
・浜典子/デミルクス ビームス(DEMI-LUXE BEAMS)バイヤー
・飯島亜沙子/エストネーション(ESTNATION)ウィメンズディレクター
・柴田麻衣子/リステア(RESTIR)クリエイティブ・ディレクター
・高垣佳代子/パリゴ(PARIGOT)常務兼ウイメンズディレクター
・原田真衣/ステュディオス(STUDIOUS)バイヤー・MD
注目度1位:「1枚でも重ね着でもデザイン豊富なニット」は
独自性の高い技術やデザインが売れそう
平均評価4.5 / 5
評価:5 デミルクス ビームス:浜バイヤー
秋冬らしくニットが売れそうな予感。これまで暖冬の影響でセールス面では厳しいシーズンが続いていたが、今季はコンフォートな素材感や素材ミックスなどコンフォートな印象がありながら、ニットでしか表現できないテクニックや色使いをスタイリングに取り入れたい。柄はノルディックやアーガイル、幾何学。暖冬を意識したアウター替わりのニットアイテムにも注目。日本の技術やモノづくりへのこだわりも表現できる点も強みであり、インバウンド需要も期待できそう。一枚で主役になるような存在感のあるアイテムが求められる傾向だ。印象的だったブランドは、「タン(TAN)」と「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」「フェティコ(FETICO)」。
評価:5 エストネーション:飯島ウィメンズディレクター
コートを着用する期間が短くなっていることから、各ブランドは新たなニットの提案を積極的に行っている。実際に、今季は非常に売れそうな手応えを感じている。ベーシックなカラーでも、構築的なデザインが多く見受けられる点が好印象。中でも、「ケイスケヨシダ」のケープ風カーディガンは、ハイネックシャツとのコーディネート提案も秀逸で、実際に買い付けた。
評価:5 パリゴ:高垣・常務兼ウイメンズディレクター
ハイゲージからミドルゲージ、ローゲージまで、幅広いテクニックを用いた編み地が多く見られた。またカシミヤやアルパカ、ウールなど、素材のバリエーションも多彩だった。レイヤードに適したアイテムも豊富で、今季の提案の幅広さを感じさせる。印象的だったブランドは、「ハイク(HYKE)」「アカネウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)」。
評価:5 阪急うめだ本店D-LAB:源野バイヤー
ベーシックでありながらも遊び心のあるデザインが印象的だった。異素材をドッキングしたニットや装飾的な要素を取り入れたデコラティブなニットも多く見受けられた。「リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」のデザイン性に富んだニットなどが特に目を引いた。
評価:4 リステア:柴田クリエイティブ・ディレクター
気候的にも、ニットはアウターを着るまでの時期に欠かせないアイテム。アウターとしても着用できるものから薄手のタイプまで、幅広いデザインバリエーションを展開していた「チカキサダ(CHIKA KISADA)」や、アクセサリーまで充実していた「ベイシックス(BASICKS)」は非常に印象が良かった。
評価:4 ステュディオス:原田バイヤー・MD
それぞれのブランドの芯となる“らしさ”が目立った。印象的だったブランドは、「タン」。
注目度 同率1位:「エレガントに昇華するテーラードルック」は
オーバーすぎないサイズ感&レディライクな要素を
平均評価 4.5 / 5
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