ファッション

「ボッテガ・ヴェネタ」がデジタルジャーナルを発行 SNSに変わる新たなコミュニケーションの形

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」はこのほど、デジタルジャーナル「Issue 01(イシュー 01)」を発行した。“ブランドの世界を捉え、拡大させるデジタルスペース”として、オンライン雑誌のようなフォーマットで写真や動画、効果音などを楽しめる内容になっている。年4回、コレクションが店頭に並ぶタイミングで発表していく予定だ。

 132ページにわたる「Issue 01」は、昨年12月に発表された2021年春コレクションに相当する“サロン 01 ロンドン(Salon 01 London)”を、服のビジュアル撮影にとどまらない手法で伝えている。今季の着想源となった「マイホームでの生活」をコンセプトに、28組の写真家やアーティストがコントリビューターとして参加。歌手のミッシー・エリオット(Missy Elliott)、ロンドンの伝説のブティック「ビバ(BIBA)」の創業者であるバーバラ・フラニッキ(Barbara Hulanicki)のほか、日本からはバルーンアーティストの松本壮由、写真家の健也らの作品が掲載されている。

 ブランドは「Issue」の発行について「私たちはデジタルの力や影響力に価値を見出し、信じてもいるが、解放とよろこびの感覚をもたらす私たち独自のスタイルも加えたいと考えている。『Issue』では、オーディエンスとのかかわり方を再定義し、また『ボッテガ・ヴェネタ』のプロダクトを買う必要のない人を含め、より多くの人に向けて民主的な方法で語りかけたい」とコメントしている。

 「ボッテガ・ヴェネタ」は21年1月にインスタグラムをはじめとするSNSアカウントを削除しており、「Issue」がブランドと顧客の新たなコミュニケーション手段となる。SNSについてブランドは「誰もが同じ情報を見るという意味で、カルチャーの均質化を表すもの。そのため、個性を育まず、またクリエイティブプロセスに対する弊害ともなり得る」と指摘する。「『Issue』はデジタルカルチャーにおける『ボッテガ・ヴェネタ』の価値観を体系化して表現する方法であり、ペースの速いデジタルワールドに一石を投じること、消費文化に対してよりゆったりとしたペースを推進することを願っている。それは何にも邪魔されずにゆったりと座って映画を観るような、没頭するような感覚。ソーシャルメディアを離れることは、私たちがアナログになるということではない。デジタルを好まないということでもなく、ただ『ボッテガ・ヴェネタ』らしいユニークな方法を模索するということ。今日のソーシャルメディアは、クリエイティブな作品が既定のフォーマットでしか発表することができないという意味で制限がある。そのため、私たちは自分たちのクリエイティブ作品の発表方法にオーナーシップを持ちたいと考えた」。

下記、「Issue 01」のコントリビューター

バーバラ・フラニッキ(Barbara Hulanicki)
ビンディ・スティール(Bindi Steel)
ケイレブ・フェミ(Caleb Femi)
チェンタオ・イ(Chengtao Yi)
デッドハングリー (DeadHungry)
ディーン・ギフィン (Dean Giffin)
エレイン・コンスタンティン(Elaine Constantine)
フランク・フィルスボェマー(Frank Hulsbomer)
ジェームス・レイシー(James Lacey)
ジョナサン・ブランティーニ(Jonathan Frantini)
ケルシー・ルー(Kelsey Lu)
菅井健也
松本壮由
ミッシー・エリオット(Missy Elliott)
モア・アンド・モア(More and More)
ミルザ・デ・ミュインク(Myrza de Muynck)
ニッキー・レッサー(Nicky Lesser)
ヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia)
オウミ・ジャンタ(Oumi Janta)
ローズマリー・トロッケル(Rosemarie Trockel)
ロッティングディーン・バザー & アニー・コリンジ(Rottingdean Bazaar & Annie Collinge)
センタ・サイモンド(Senta Simond)
ストーラー(Storror)
スー・ウェブスター(Sue Webster)
タイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)
タイロン・ルボン(Tyrone Lebon)
ヴァルター・ファイファー(Walter Pfeiffer)
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