イタリアの投資会社スタイル キャピタル(STYLE CAPITAL)は11月2日、アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell'Acqua)が2010年に設立した「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」の経営権を取得したことを発表した。財務条件や取引スキームなどの詳細は非公開。デラクアは引き続きクリエイティブ・ディレクターを務める一方、長年にわたり生産・販売を担ってきたイタリアのアパレル企業ジルマー(GILMAR)は同ブランドの事業から撤退する。スタイル キャピタルは、「ヌメロ ヴェントゥーノ」のポジショニングを強化するとともに、グローバル市場でのさらなる発展を推進していく。
デラクアは、「『ヌメロ ヴェントゥーノ』がスタイル キャピタルおよび(その創業者でCEOである)ロベルタ・ベナリア(Roberta Benaglia)と新たな章をスタートできることをうれしく思う。彼女はファッション業界に精通し、クリエイティブなビジョンとビジネスの発展を両立させることの重要性について、私と同じ信念を持っている起業家だ」と述べた。
一方、ベナリアは「『ヌメロ ヴェントゥーノ』は現代的なイタリアのクリエイティビティーを最も真摯かつ明確に体現するブランドの一つ。アレッサンドロ・デラクアは長年にわたり、独自性と一貫性のある極めてパーソナルなデザインやスタイルを確立し、強いアイデンティティと大きなポテンシャルを秘めたブランドを築き上げてきた。私たちの目標は、この新たな章においてアレッサンドロをサポートし、クリエイティブ面における彼の自主性を守りながら、ブランドが国際的に成長するために必要な戦略、経営、製造面での専門知識を提供することだ。成功するブランドは、真のクリエイティブなビジョンから生まれ、そのビジョンが確かな起業家精神によって支えられたときにこそ、花開くと信じている」と説明した。
ジルマーは経営再建へ
今回の買収の背景には、ジルマーの経営再建がある。同社は10月下旬、イタリアのリミニ裁判所に事業再建に向けた法的保護措置を申請。計画には、ライセンス事業の段階的廃止や工場施設の売却、外部ブランド向け製造事業の譲渡などが含まれていた。なお、ジルマーは「アイスバーグ(ICEBERG)」や「パオロ ペコラ(PAOLO PECORA)」のライセンスも保有している。
「ヌメロ ヴェントゥーノ」は10年秋冬シーズンにデビュー後、ミラノ・ファッション・ウイークの常連ブランドとなった(ただし、9月はショーを見送っていた)。ジルマーとは、13年春夏シーズンからライセンス契約を締結。15年には同社がブランドの株式30%を取得し、デラクアが残りの70%を保有する体制となった。現在はウィメンズとメンズ、キッズのウエア、シューズ、バッグ、アクセサリーを展開し、世界250以上のセレクトショップで販売。日本では、グルッポタナカ(GRUPPO TANAKA)がブランドの創業初期からディストリビューターを務めている。
一方、スタイル キャピタルは「MSGM」「フォルテ フォルテ(FORTE_FORTE)」「オートリー(AUTRY)」「ジマーマン(ZIMMERMANN)」「スール(SOEUR)」「リダン(RE/DONE)」などに出資。今年7月には美容分野にも参入し、パリのニッチフレグランスブランド「エッセンシャル パフュームズ(ESSENTIAL PARFUMES)」とのの戦略的提携を発表した。