1. スニーカー市場を動かすのもインフルエンサー!? 7人のスニーカーヘッズのリアルに接近

スニーカー市場を動かすのもインフルエンサー!? 7人のスニーカーヘッズのリアルに接近

コラム 市況 SNS インタビュー

2018/7/1 (SUN) 11:00
(c) Fairchild Fashion Media

 かつてスニーカー市場を動かしていたのは、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)やスタン・スミス(Stan Smith)といったアスリートたちだった。そして2015年のジェイ・Z(Jay Z)と「リーボック(REEBOK)」の長期契約をはじめ、現在は、50セント(50 Cent)やネリー(Nelly)、カニエ・ウェスト(Kanye West)、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)ら、スニーカー市場は音楽業界とかつてなくクリエイティブな関係を強めている。

 だが、他の市場同様にスニーカー市場でも頭角を現しているのが、インフルエンサーだ。例えば、もともとビンテージストアを経営しており顧客の声と近かったショーン・ウェザースプーン(Sean Wotherspoon)がデザインした「ナイキ(NIKE)」の“エア マックス 97(AIR MAX 97)”は、発売前にオークションに出品され天文学的な買値がつけられるなど熱狂を呼び、モデルとしても活躍するアレイリ・メイ(Aleali May)がデザインした“エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)”は、「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」がウィメンズ市場で存在感を高める大きな足掛かりとなった。2人ともインスタグラムのフィードには数え切れないほどのスニーカーが登場する、れっきとしたスニーカーヘッズ界のインフルエンサーだが、今や単なるスニーカーのプロモーターではなく、デザインにおいても大きな力を持ち始めているようだ。

 米「WWD」は、世界中のスニーカーヘッズ界のインフルエンサー7人に、なぜスニーカーにハマったのか、コレクションの保管方法、絶対に売らないと誓っている1足、手に入らなかった1足、そしてスニーカー市場の次のトレンドや将来まで話を聞いた。

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Landy

WWD:活動の拠点は?

ランディ:東京。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

ランディ:子どもの頃から他の子どもたちと同じようにスニーカーが好きだった。でもアジアに頻繁に旅行していて、香港と東京の熱狂的なコレクターカルチャーと出合ったんだ。スニーカーカルチャーとアートとデザインの世界の一端に触れて、そこからどっぷりハマったよ。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

ランディ:東京に住んでいることが僕にとって1番の難題。ただただスペースがない(笑)。実はきちん空調管理されたアメリカの家の倉庫にコレクションは保管していて、それを東京と行き来するたびに出し入れしているんだ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

ランディ:「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」と「ナイキラボ(NIKE LAB)」の“エア ジョーダン 1”。ストリート界のゴッドファーザー、藤原ヒロシの大ファンなんだ。「ナイキ」のベストコラボの1つだね。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

ランディ:これも藤原ヒロシが関わっているけど、「ナイキ」の“HTM フライニット トレーナー + マルチカラー(HTM FLYKNIT TRAINER + MULTI-COLOR)”。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

ランディ:残念ながらダッドスニーカーのトレンドが続くのは18年末まで。あまりに多くの人が1足のスニーカーに熱狂して、その見た目だけが重要視されすぎている。そしてあまりにも早い商品サイクルのペースの市場に、疲れが見え始めている。今後はスニーカー企業が分化したそれぞれのニーズを満たすスニーカーを発売していくか、「ヴァンズ(VANS)」の“オールド スクール(OLD SKOOL)”に見るように、シンプルでクラシックなスタイルが復活すると思う。それからラグジュアリースニーカー市場も手に入りやすくなるまで拡大すると思う。ただ、やっぱりエントリー価格が高いけどね。

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Ray Polanco Jr.

WWD:活動の拠点は?

レイ・ポランコ・ジュニア(以下、ポランコ):ロサンゼルス。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

ポランコ:アート。僕は人見知りだけどファッションを通じて自分のアイデアや気持ちを表現することが好きなんだ。スニーカーは誰でも履くことができるものだから、誰でも理解できる一種のアートだと思う。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

ポランコ:買った時についてくるボックスに去年までは保管していたけど、最近インテリアデザインにハマって、好きなようにテーマや色を変えることができて、スニーカーをアート作品のようにディスプレーできる棚を作ろうと決めたんだ。棚には40足くらい入るんだけど、入りきらなかったスニーカーは9割くらい売ってしまった。それでスニーカーの箱に入れたままにしておくと、たくさんありすぎるからその存在を忘れてしまうことが多いことに気づいた。もうスペースは無駄にしたくない。もし取り戻したくなったら、辛抱強く復刻を待つよ。「アディダス」や「ナイキ」は4、5年以内にはまた発売すると思うんだ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

ポランコ:僕が絶対に売らないと決めているのは、ブランドと一緒に僕がデザインしたもの。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

ポランコ:02年に発売された「シュプリーム(SUPREME)」と「ナイキ」の“ダンク SB ロウ ブラック セメント(DUNK SB LOW BLACK CEMENT)”。少しだけ持ってた時期もあるんだけど、1100ドル(約11万9000円)で売ってしまってそれ以降は買えていない。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

ポランコ:スーパースターに依存していた時代とは逆に、普通の人と関わりが強いトレンドメーカーたちと仕事するようになると思う。ショーン・ウェザースプーンがデザインした“エア マックス 97”がすごいのは、彼は僕らと同じ普通のスニーカーヘッズの1人だから。それに「ケースイス(K-SWISS)」とゲイリー・ヴェイナチャック(Gary Vaynerchuk)のコラボも象徴的だ。彼は決してスタイルアイコンではないけど、社会ヒエラルキーの底からトップに上りつめて、熱意あるスピーチとかで他の人を勇気づけて成功に導いている。それから、ブランドはこれからイベントやフェスに参加して人々とのつながりを持とうとすると思う。

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Mike Camargo(Upscale Vandal)

WWD:活動の拠点は?

マイク・カマーゴ(以下、マイク):ニューヨーク。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

マイク:ドラッグディーラーかな。俺がまねしたいと思うスタイルは姉の友人たちとドラッグディラーだけ。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

マイク:コレクションの保管状況は最悪。床から天井まで部屋の壁4面をプラスチックボックスの棚で覆っていて、部屋の真ん中はロックコンサートの最前列みたいになってる。それから、ニューヨーク・ソーホーのスニーカーショップ、スタジアム グッズ(SATDIUM GOODS)をハリケーンが直撃した後みたいな部屋がもう1つ。手に負えないよ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

マイク:「ナイキ」の“アンクル ダンクス(UNKLE DUNKS)”。見つけるのに本当に苦労したよ。間違いなく“死ぬほど欲しいリスト”の1つだね。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

マイク:「シュプリーム」のブルーとイエローの“トレーナー SB(TRAINER SB)”。もう5年は探し続けてる。俺の“死ぬほど欲しいリスト”の最後の1足なんだ。デッドストックの中でも、自分のサイズはまだお目にかかれてない。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

マイク:今後はもっとコラボが多くなると思うね。フットウエア企業は、スニーカーカルチャーがビジネスのメーンになっていることにやっと気付き始めたんだ。だからストリートの若い気鋭の才能を取り込もうとしている。

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Rashed Saif Belhasa

WWD:活動の拠点は?

ラシード・サイーフ・ベルハサ(以下、ベルハサ):ドバイ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

ベルハサ:DJ キャレド(DJ Khaled)がデザインした“エア ジョーダン グレイトフル 3(AIR JORDAN GRATEFUL 3)”。これは彼のファミリーと友人にしか配られなかったんだけど、DJ キャレドが個人的に僕にも送ってくれたんだ。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

ベルハサ:結局発売されなかった“OVO ジョーダン 3(OVO JORDAN 3)”。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

ベルハサ:スニーカー市場はどんどん大きくなって、同時にみんなカニエ・ウェストみたいになろうとすると思う。ラッパーは若い世代に人気があるから、ブランドはラッパーにコンタクトを取ろうとすると思う。だからラッパーとのコラボはますます増えるだろうね。

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Selma Kaci Sebbagh

WWD:活動の拠点は?

セルマ・カシー・セバグ(以下、セバグ):パリ。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

セバグ:子どもの頃は周りの友達と同じようにスニーカーが好きだったけど、中毒になったのは“エア ジョーダン 3 トゥルー ブルー(AIR JORDAN 3 TRUE BLUE)”から。叔母がアメリカに住んでいた時は、ヨーロッパで手に入らないモデルを時々送ってくれたの。でも11年に“エア ジョーダン 3 トゥルー ブルー”を見た時、「買わなきゃ!」と衝動的に思った。それでフットロッカー(FOOT LOCKER)に並んで、手にした時は世界で1番幸せな気持ちだった。その気持ちをいつでも感じていたいのかも。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

セバグ:これは本当に頭を抱えている問題。昨年ラッキーなことに収納スペースがたくさんある新しいアパートに引っ越して、「これで部屋をスニーカーで埋め尽くさなくてすむ。よかった!」と思ったけど、数カ月後気づいたらもう収納スペースがなかった(笑)。しょうがないからそれからはボックスにスニーカーを入れて部屋の隅に置くようにしたけど、今では巨大なボックスの壁が部屋の中に2つそびえ立ってるわ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

セバグ:「アンディフィーテッド(UNDEFEATED)」と「ナイキ」の「コンプレックスコン(COMPLEXCON)」限定モデルの“エア マックス 97”。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

セバグ:「ナイキ」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボ。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

セバグ:スニーカー市場にとって今は1番面白い時期だと思う。数年前は多くのブランドが進化を遅めてしまったけど、今はまた面白いものが増えてきた。前はブランドはただひたすらリピートしていると感じていたけど、新たなトレンドとともにリリースも進化してきた。主要ブランドが消費者の声を聞くようになったという理由もあるけど、スニーカーは今世界中でどんどん注目を集めている。今後数カ月でコラボ、新技術、ダッドスニーカーもどんどん登場する。ドロップもいいけど最近は多すぎ。ブランドは少し減速してもいいと思う。

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Sanne Poeze

WWD:活動の拠点は?

サン・ポエズ(以下、ポエズ):アムステルダム。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

ポエズ:ガーリーな女の子ってタイプでもなかったし、背が高いからヒールには興味なかった。高校生の時の親友がスニーカーにハマっていて、ある意味そのウイルスに感染したのかも。彼と一緒に人生初めて超レアなスニーカーを手に入れたの。それからはご存知の通り。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

ポエズ:アムステルダム中心街の小さなアパートに住んでいるから毎日スニーカー保管問題と格闘してる。玄関前の天井下に棚を作って、そこにボックスを詰め込んでいるわ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

ポエズ:私の収集リストの中で初めて手に入れた「ナイキ」の“エア マックス 1 ビーストパック(AIR MAX 1 BEAST PACK)”。ボロボロになるまで履き古したけど、絶対手放せない。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

ポエズ:ありすぎるわ。直近では「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」と「ナイキ」のオールホワイトの“エア ジョーダン 1”。これまでも手に入らなかったスニーカーはたくさんあるけど、転売価格では買いたくないの。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

ポエズ:今はどこを見てもダッドスニーカーだらけ。しばらくはこのトレンドは続くと思うわ。多くの人がスニーカーをスポーツアイテムじゃなく、ファッションアイテムとして見るようになった今、過激なデザインがトレンドになっていくと思う。スニーカーはメーンストリームになっていて、ハイブランドのデザイナーもスニーカーを打ち出している。スニーカー市場の未来は明るいわ。

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DeeDee Negron

WWD:活動の拠点は?

ディーディー・ネグロン(以下、ネグロン):ニューヨーク。

WWD:スニーカーにハマったきっかけは?

ネグロン:ある意味、姉のおかげかな。子どものころ、私がスニーカーをきちんと管理できないから買わないでって姉が母に言いつけるから、買ってもらえなかったの。どうしても我慢できなかったのが04年のクリスマスシーズンに発売された最初の“エア ジョーダン 13 レトロ(AIR JORDAN 13 RETRO)”。ビデオゲームにハマってたから“プレイステーション2(PlayStation2)”も欲しかったけどね。でもスニーカーの方が安いだろうから、母にスニーカーが欲しいと頼んだの。クリスマス当日にプレゼントを開けたら“プレイステーション2”が入ってて本当に怒ったわ。

WWD:コレクションはどうやって保管している?

ネグロン:実家の一角と、スニーカーがびっしり入ったクローゼット2つに保管している。多くのスニーカーコレクターが保管方法に困っているけど、今シューズボックスから透明なボックスに移そうとしている最中なの。その方が見つけやすいし整理整頓されているように見えるわ。

WWD:絶対に売らないと誓っている1足は?

ネグロン:「ユーイング アスレチックス(EWING ATHLETICS)」とドン C(DON C)のスニーカー、ビンテージスニーカーは絶対売らない。

WWD:欲しかったけど手に入らなかったスニーカーは?

ネグロン:「オフ-ホワイト」と「ナイキ」の“エア プレスト(AIR PRESTO)” とホワイトの“エア ジョーダン 1”、アレイリ・メイの“エア ジョーダン 1”、それから「イージー(YEEZY)」のモデルもいくつか。

WWD:これからのスニーカー市場をどう予想する?

ネグロン:価格が高いと思ったら下がったり突然上がったりするのはこれからも変わらないと思う。だから私のように価格が高騰する前に買っておこうとする人は多いと思うわ。

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