斎藤工がシンガポール観光大使に レスリーが母国愛を込めた映像も披露

コラム映画・ドラマインタビュー新ブランド・新ライン人事

2017/8/27 (SUN) 02:30
シンガポール観光大使に就任した斎藤工(左)と、キャンペーンビジュアルを撮影したシンガポール出身のレスリー・キー

 日本初のシンガポール観光大使に、俳優の斎藤工が就任した。同国政府観光局が新ブランド「パッション・メード・ポッシブル」の設立と合わせて発表されたもので、8月25日に渋谷のトランクホテルで行った会見では、18年来の友人であるシンガポール出身のフォトグラファー、レスリー・キーが撮影したキャンペーンビジュアルやドキュメンタリータッチのスペシャルムービーを披露するとともに、トークセッションも実施。会見後の弊紙単独インタビューと合わせて、シンガポールやクリエイションに対する思い、2人の出会いや今後のプロジェクトなどをまとめてみた。

文化服装学園のスタジオで初対面で撮影、「装苑」に掲載

 レスリーとの初めての出会いは、忘れもしない、文化服装学園のスタジオだったと斎藤工は振り返る。「知り合いに紹介されて、レスリーが『装苑』の撮影をしているところを訪れたのがレスリーとの出会いでした」。レスリーもまだフォトグラファーとして1年目の駆け出しながらも、栗山千明らアップカミングな女の子にフォーカスした6ページの企画などを任されていた。「タクミくんがキラキラしていて美しすぎて。ノリでそのまま撮影して、急遽、タクミくんのページを作ることになりました。当時の編集長は西谷真理子さん。とてもオープンマインドの方だったからこそ実現できたことだと感謝しています」とレスリー。

 斎藤は「本当にすごくラッキーでした。父が映像制作の仕事をしていたので、映画やビジュアルを作るには、プロセスや確認などがすごく大変だという印象がありました。それが、レスリーの場合、『結果が良ければ全て良し』『仕上がりのクオリティーが全てだ』という感覚で。答えから入るやり方に最初は驚きましたが、僕の価値観を変えてくれました。今、自分で映画を作っていますが、プロセスを無視してでも結果を求める覚悟も必要だと思っています。それに、本当に視野が広くて、日本国内で仕事をしようとしていた僕に、『もっと広い視野を持って仕事をするように』と刺激をくれました」と大きな影響を受けたことを明かす。

映画監督として、オリジナリティーを徹底的に追求する

 あれから18年が経過。レスリーは世界で活躍する売れっ子フォトグラファーに、斎藤は人気俳優になるだけでなく、映画監督として活躍の場を広げている。昨年はショートムービーで上海映画祭の賞を獲得。来年2月3日には、自身初となる長編映画「blank13」(主演:高橋一生、共演:リリー・フランキーら)の公開が控えている。

 映画作りに際しては、キャスティングやチーム編成、ストーリーや撮影場所など、全てを自分でオーガナイズしたいという願望もあるという斎藤だが、「映画を作るとなったら、メンバーを集めたグループラインをすぐに作ってしまうんです。そこで、自分がやりたいこと、わがまま、こだわりといった意志を表明するんです。みんなが既読になると、『あ、届いたな』『共有できたな』と確認できる。それが徹底できていなければ、プロジェクトとして僕がやる意味がないと思うんです。パーソナルなオリジナリティーを発揮して、いい意見を出し合って一緒にモノを作っていく楽しみはそこにあると思います」。

 これを聞いたレスリーは、「タクミくんが言うと、みんな納得してくれるけど、私が同じことをしたらワガママだと言われます。感情を出してしまうから……。いろいろと学ばなくちゃいけないなと思いますね。タクミくんは役者なので、伝え方が上手なのかもしれませんね」と苦笑いする。ただし、クリエイションに対するシンパシーを強く感じているという。「タクミくんは先輩や後輩たちも含めて素晴らしいモノ作りを一緒に味わってもらいたいと思っていたり、作品そのものや制作に参加することで、得るものが大きくなることをすごく考えているのでしょうね。いつもポジティブで、育った言葉も年代も違うけれども、優しい心と強い心を持ち、大胆なことをやらせてくれる。だから彼のことをサポートしていきたいとみんなが思うんですよね」。

 それは、斎藤が考える、レスリーに対する思いと重複している。斎藤は「10年くらい前、『日本脱出』という自叙伝を出したときもそうでした。レスリーはすでに世界の最先端で活躍していてめちゃめちゃ忙しかったのに、全く無名だった僕を撮るために時間を作ってくれたのです。ビヨンセを撮影した後にスタジオに来てくれて、終わったらすぐにヨンさまを撮りに向かうという。日本の発展途上の僕みたいな人間に、愛のスポットを当て続けてきてくれたんです。これはみんなに対して同じなんです。レスリーは自分のクリエイティビティーとかクオリティーを追求するだけではなく、出会った人たちみんなでいいものを作ろうという強い想いとパッションを持っているんです。会うたびに、すごいスピードでパッションを持って進化し続けています。そして、優しい根っこは全然変わらないんです」。

READ MORE 1 / 1 シンガポールと斎藤工の魅力が詰まったドキュメンタリー映像を公開


合作映画に主演、エリック・クー監督、松田聖子と共演

 今回、シンガポール観光大使に就任したが、来年公開予定のシンガポールと日本の合作映画「ラーメン・テー」(仮題)への主演が、抜擢を後押しした。この映画の監督は、数々の賞を受賞し、カンヌ映画祭で審査員も務めるエリック・クー監督で、松田聖子とも共演する。「駄目もとでスカイプでオーディションを受けたら、幸いにも主演をやらせていただくことになったんです。僕にとってシンガポールの象徴であり、情報源でもあるレスリーのことも、監督に話しました。エリック監督も、レスリーと同じ、パッションと、優しさと、他者を思いやり優先する心に感動しました」と話す。そして、「皮膚感覚で伝えられる庶民派観光大使になります」と宣言し、「人の温かさに魅力を感じたので、温かい両国の人を結びつける役割ができたら」と続ける。

 ちなみに、始めてのシンガポールでは、「18年前にレスリーに出会ってから感じている、パッション、エネルギーを、そのままシンガポールに感じたので、どこか懐かしい感じがしましたね」と斎藤。さらに「食べ物がすごくおいしくて。衝撃も受けました。一番面白いなと思ったのは、フィッシュカレー。魚がまるまる泳いでいるんです。カレーのルーツはインドですが、それをシンガポールの人がアレンジして、新たなオリジナルにしているんです。映画の製作現場でも、北京語と英語とが飛び交い、プロが意見を出し合ってすごく良いものを生み出そうとしていました。シンガポールはいろんな人種や文化が合わさって、食べ物や街の景色ができている。それを最も感じたのがリトルインディアでした。シンガポールのアレンジ力を感じましたね。いいところをいろいろな外国の文化からもらって、それを合わせてすごくオリジナルを作っていくという、アレンジ力が、大きな魅力だと感じました」と振り返る。

 一方のレスリーは、「シンガポールに1971年に生まれ、東京に住んで24年になりますが、今回はシンガポールへの愛を表現できる絶好の機会になりました」と感謝の意を示す。そして、キャンペーンビジュアルに加え、当初は音楽をつけて流す予定だったムービーに、斎藤とレスリーがまるでラジオ番組で話しているようなナレーションを付けるという、スペシャルな仕様として発表することが実現した。レスリーいわく、「これも、2人の18年間があったからこそできたもの。単なる仕事ではなく、一緒に作り上げたものです。シンガポールの見どころを背景に、タクミくんのシンガポール滞在を追った、ちょっとオシャレなドキュメンタリー映像です。その時に感じた本音を語り合っているので、ぜひ多くの人々に観ていただきたいですね」。

斎藤工のパッション源は「映画を届けること」と、世界で活躍する日本人クリエイター

 今回、シンガポール発の新ブランド「パッション・メード・ポッシブル」をスタートしたが、斎藤にとってのパッションとは?「映画を観ることが難しい場所や、映画館のない地域で上映会をする、移動映画館『シネマバード(CINEMA BIRD)』の活動をしています。今年、マダカスカルでも上映しました。生まれて初めて映画を見た子たちの興奮している表情。映画を共有すること、演じたり表現したりすることもそうなのですが、人に届けるということが僕の最大の原動力になっていることに最近気付きましたね」。これは、JICA(国際協力機構)とテレビ局から依頼されて実現したものだったが、映画を観てもらうだけでなく、監督や出演者、音声、ヘアメイクなど、初めて見る仕事や職業を間近で体験してもらい、将来の夢の選択肢を広げるきっかけづくりになればという思いも込めている。

 もう一つ、海外で活躍し、戦っている日本のクリエイターにもパッションをもらっているという。レスリーはこう代弁する。「シンガポールのプロジェクトも僕たちの大きな企画なのですが、もう一つ、僕たちは夢をかなえました。それはパリのコレクションに出るということでした。そして、今年の1月、山本耀司さんの『ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO) 』でタクミくんがランウエイを歩きました。われわれは情熱の人たちのおかげで、出会えて、夢をかなえることができました」。2人が尊敬するもう一人のクリエイターは河瀨直美・監督だ。

2018年春に作品集を発売へ、レスリーが18年間撮り貯めた写真に新作加えたアートブックに

 2018年は、斎藤主演の合作映画「ラーメン・テー」(仮題)や、監督として初の長編作品「blank13」の公開も控えている。レスリーは「タクミくんを18年間ずっと撮り続けてきましたが、お互い、常に成長を続けていきたいと思っているんです。次の18年でどんな飛躍をするのか楽しみですね。撮り貯めた作品や最新の作品などを含めて、来春をメドにタクミくんの作品集を出したいと考えています」と明かす。斎藤も、「シンガポールにいた2週間で、普段できないような成長や進化ができ、それによって反射するものがありました。とても有意義でした。レスリーは、レスリーだけの進化ではなくて、同時に周りを照らす、光みたいなもの。その光に照らされるたびに、斎藤工の色が増えていく感じがします。こんな人、他にいません。これからどんな作品が一緒に作れるのか、僕自身も楽しみです」。

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