ファッション

本田真一「HONDA・AVEDA hair&spa」代表が考えるサロン経営とは?

 海外のメゾンブランドのコレクション、広告などを手掛けるヘアメイクアーティストとして活躍。2011年に「ホンダ・アヴェダ ヘア&スパ」をオープンし、活動拠点を日本に移した本田真一・代表。世界を知る同代表が語るヴィジョンとは?

WWDジャパン(以下、WWD):日本と世界のヘアサロンを比べて感じることは?

本田真一(以下、本田):まずは教育が違う。日本ではひとつのヘアスタイルを作るとき、完成までのプロセスを丁寧に教えるが、海外ではアプローチが逆。完成したスタイルだけが示され、そこまでのアプローチは自由。学ぶ側が創意工夫をしながら各々のやり方を模索することで、センスが磨かれていくというわけだ。一方で、ヴィダルサスーンのように極めて論理的な教育法も存在するので、バランスがとれていると思う。日本の美容学校・サロンの教育レベルは素晴らしいが、海外の“センスを磨く教育” をもう少し取り入れてもいいかも知れない。

WWDジャパン:サロン全体として、日本と欧米との違いは?
本田:日本のサロンは、オーナーとスタッフ、先輩と後輩という“縦”のつながりは深く濃いが、“横”のつながりは薄い。対して欧米のサロンは、特にファッションやアート業界の人たちとの交流がさかんだ。私は欧米の環境にいて、異業種の人たちとの人脈、彼らから受けた刺激が、今のクリエイティブ活動に大いに役立っている。そこで、日本での活動のテーマのひとつとして、私の経験を生かし、サロンとファッション業界をつなげる役割を果たしたいと考えている。

WWDジャパン:サロン経営における課題は?
本田:日本の美容師を見て感じたことは、とにかく不健康な人が多いということ。夜遅くまで練習して寝不足で、体に悪いものを食べて……。そうした環境下では、最高のパフォーマンスは発揮できないと考えている。特にうちのサロンのある辻堂は、海が近くにあってサーファーも多く、ナチュラルでヘルシーなヘアスタイルを求められることが多い。そうしたスタイルを、不健康な美容師が提供できるとは思えない。そこで、地元の農家から食材を提供してもらったり、畑を見学して食に関する勉強会を開いたり、スタッフのインナービューティには気を使っている。また、そうした活動を通して健康に関する知識を得るとともに、地元の人たちとの交流を深め、「辻堂の人たちの美と健康をプロデュースするサロン」になりたいと考えている。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。