
「想定以上。非常に好調に推移している」。
13日に開かれた2026年3〜8月期のJ.フロント リテイリングの決算会見。名古屋・栄地区の新商業施設として6月に開業した「ハエラ(HAERA)」の手応えについて聞かれ、小野圭一社長は自信に満ちた表情で答えた。
開業から8月末までの3カ月弱で、取扱高は約120億円、来店客数は約225万人を記録。初年度目標の300億円に向けて良好なスタートを切った。
ハエラには、大津通に面する形で「シャネル(CHANEL)」「エルメス(HERMES)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「カルティエ(CARTIER)」が象徴的なメゾネット店舗を構えた。小野社長は「6月の開業から目下8月末までの段階で、想定以上に好調に推移している。その中でもラグジュアリーメゾンについては、松坂屋名古屋店の外商顧客がかなり足を運んでくださっている状況」と明かす。
栄エリアの来訪者数も開業後の6〜8月は前年同期比17%増で進捗(同社資料)し、同期間の栄エリアにおけるグループ取扱高も15%増となるなど、数字にもハエラの吸引力が表れる。ただ、南館を改装中の松坂屋名古屋店の6〜8月売上高は同4.4%減、名古屋パルコも同2.4%の取扱高の伸びにとどまるなど、当初より念頭に置いていた栄地区の自社周辺施設とのシナジー効果が本格化するのはまだこれからだ。
小野社長は「まだ開業から半年経過していない状況なので、もう少し状況を見る必要がある」と前置きしながらも、「私たちはギンザ シックス、渋谷パルコを作ってきた。いずれも日本になかなかない、全く新しい商業施設をプロデュースすることができた。当グループにその力の再現性があることをハエラによって証明できたと自負している」と語り、「将来的には福岡での新施設につなげていきたい」と述べた。
小野社長が触れた「新施設」は、「天神ビッグバン」と称される大規模再開発が進む福岡・天神地域で、2031年2月期をメドに完成を予定する。この上期もテナント取扱高4.0%増と堅調な福岡パルコを27年2月末で閉め、周辺一体開発によってライブハウスやオフィス、ホテルを含む複合施設に生まれ変わらせる構想だ。「ハエラのあり方をそのまま福岡で実現するというよりも、さらにいろんな観点で踏み込み発展させる。今までにない魅力的な店舗フォーマットをここで実現していきたい」と意気込む。