ファッション

テイクアンドギヴ・ニーズがトランクホテルに続き新ホテルブランドをローンチ 華やぐ非日常ではなく、上質な日常を調律する「GENTLE」

ホテルやウェディング事業を手掛けるテイクアンドギヴ・ニーズ(以下、T&G)は9月30日、新ホテルブランド「ジェントル(GENTLE)」の立ち上げを発表した。2027年3月には神奈川県鎌倉市腰越にブランド最初の施設「ザ ジェントル 鎌倉(THE GENTLE KAMAKURA)」を開業する。

T&Gといえば17年のトランクホテル(TRUNK(HOTEL))キャットストリートを初めとして、23年にはトランクホテル 代々木パークなどを展開し、27年札幌、28年道玄坂と次々と開業予定であり、感度の高いブティックホテルとしてのブランドを確立している。その場に身を置くことが誇らしくなるような華やかな空間、日常の中にある非日常が、私が感じるトランクホテル ブランドのイメージだ。

対する新ブランド「GENTLE」では「Be Gentle 自分にもやさしい生き方を」をコンセプトとしているという。自然に包まれる時間、人と語り合う時間など、その人にとって心地よい環境を提供するホテルを目指す。

人を豊かにする舞台は「特別な日」から「やさしい日常へ」

メディア発表会では「正しさだけで人は豊かになれるのだろうか?」という問いかけがあった。人は知らず知らずのうちに正しくあろう、誰かのための自分であろうとする。現代を生きるわれわれは知らず知らずのうちに、本来のリズムから遠ざかってしまいがちだ。だからこそ、眠っていた感性をそっと呼び覚ます「調律」を自然と促す場があってもいいのではないだろうか――とメッセージは続く。そしてその気づきこそ、「GENTLE」ブランドの出発点だという。

本来のリズムに戻れる「調律」を目的とした装置に

今や旅に求める価値は1つではない。その考えに私も大いに賛同する。1人の人間にもラグジュアリーな非日常にときめきたいときと、自分の感覚やリズムに戻る「調律」を求めるときがある。「GENTLE」ブランドが担う役割は後者だ。

では「GENTLE」の潜在設計となる「調律」とは、どのような作用だろう。人の気持ちは1日でも揺らぐ。新しいものに出合う動、心を鎮める静。その感情を「高揚・発見・包容・余白」という4つの要素で捉え、感性が動く高揚と発見=MOVE、心が緩まる包容と余白=CALMと位置づけ、そのときの気分に合わせて行き来できるような装置を提供する。そこには本来の自分のリズムへと整えていく空間やサービス、体験がある。

自然に囲まれた環境で心をゆるめていく余白の静

27年3月に鎌倉で開業予定の「THE GENTLE KAMAKURA」は「海のそばにある、もうひとつの鎌倉へ。」をテーマとしている。ロケーションとなる腰越は鎌倉のなかでも観光スポットと少し離れた静かな区域。暮らす鎌倉といえるかもしれない。心身を緩める環境を築くべく、空間だけでなく音や香りなど様々なスペシャリストがシーンごとに感性を設計する。たとえばホテル内のそれぞれの空間ごとのサウンドデザインはサウンドクチュール(SOUND COUTURE)が、香りはオルファクティブ・スタジオ・ネ(Olfactive Studio Ne)が手掛ける。

全16室の客室、ルーフトップテラス、レストラン、ゲストラウンジなどの建築は千葉学建築事務所が、インテリアはDRAFTが設計する。最も滞在時間が長いであろう客室では余白を大切に、気分で選ぶ2種の香りのバスアメニティーや手挽きで味わうロウコーヒー(ROU coffee)などを備える。海に向く開放的なレストランはイタリアンと鮨の2業態。宿泊者限定のゲストラウンジにはノンレクチャー ブックス/アーツ(NONLECTURE books/arts)がセレクトしたライブラリーも設置し、TeaRoomのお茶を提供する。木材やグリーンに包まれたやさしい空間を創り上げる。

地元とつながる出会いやアクティビティーによる動の刺激も

地域との共創も「THE GENTLE KAMAKURA」では強化する。アートを中心とした地元クリエーターや工房の発信の場でもあり、さまざまな交流のきっかけを生み出す。たとえば開業時には湘南エリアを拠点に活動するアーティスト清水葵氏による、廃棄するジーンズをアップサイクルしたデニムダルマや壁面アートを展示。葉山のげんぺい商店とのオリジナルビーチサンダル、大船の杉本薬局による漢方との知識を取り入れたプロダクトなど、地元企業とのコラボを積極的に展開する。

地域と創るアクティビティーもユニークだ。腰越のビーチでのSUPや、鎌倉の山を駆けるトレイルラン、自然の中でのヨガは、体の奥から目覚めていく動の体験。やさしい空間でのゆるやかな時間は、心と体に心地よい刺激をもたらすだろう。

上質な日常の延長の、やさしくゆるやかな滞在型ウエディングも提案

「GENTLE」ブランドでは、2泊3日の滞在型ウェディングも推進するという。T&Gが培ってきたゲストハウスウェディングのノウハウを生かし、挙式や披露宴の数時間だけではなく、挙式前日から翌日まで、鎌倉で過ごす全ての時間をデザイン。家族やゲストと街を歩く、アクティビティーを楽しむ、挙式の余韻に浸るなど、なにげない瞬間そのものがウェディングの記憶となる。旅だけでなく、ウェディングもまた、求められる価値は1つではないということなのだろう。「THE GENTLE KAMAKURA」にもウェディング専用のバンケットやマルチスペースなどがあり、ここならではのウェディングを紡ぐ。

T&Gでは「日常を豊かにする舞台は『特別な日』から『日常』へ」シフトしつつあると捉え、マーケットを日常へと広げ、ホテル事業を強化している。すでにTHE GENTLE2店舗目も年内には発表予定で、2035年度までにグループで20ホテルの開業を目指すという。

THE GENTLE KAMAKURA 概要

◾️THE GENTLE KAMAKURA

所在地:神奈川県鎌倉市腰越3-1−7
ビル概要:地上4階+屋上階
ホテル施設概要:客室、レストラン(ダイニング、鮨)、ルーフトップテラス、ゲストラウンジ、マルチスペース、バンケット
客室数:16室
客室単価:4万〜20万円(想定)
開業日:2027年3月(予定) ※2月プレオープン
>THE GENTLE ブランドサイト
>THE GENTLE KAMAKURA サイト

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