旅の質が重視される今、時代やアップデートされる価値観に添い、それぞれにとって満足度の高い施設が求められている。今回は誰かの邸宅を訪れたように安らげる全室スイート・サウナ付きの「エッセンス 軽井沢(ESSENCE KARUIZAWA)」をピックアップ。森と一体化し、サウナで整い、軽井沢の旬な食材を生かした創作日本料理を味わう――本来の自分へ還るリトリート旅を、この秋は企画しよう。
軽井沢駅から車で約10分の緑に包まれたオアシス
2026年に開業した全室プライベートサウナ付きのラグジュアリーホテル「ESSENCE KARUIZAWA」は日常から離れ、本来の自分に還る場所。軽井沢駅から車で約10分という好立地でありながら自然に恵まれ、いつもの日常から上質な日常へとシフトできる。軽井沢の森という敷地を最大限に生かした客室12室は全てスイートルーム。建築設計を中村拓志率いるNAP建築設計事務所が、インテリアデザインを高橋紀人率いるJamo Associatesが手掛けた。本質的な五感に響く心地よさを追求し、客室は森へと広がるプライベートテラスやサウナとシームレスにつながる。ラグジュアリーを極めながら、安らげる、開放感に満ちた環境だ。
窓いっぱいに広がるのはカラマツの森。中間領域となるテラスとプライベートサウナ、開放的なバスルームがつながり、森からの柔らかな日差しや木漏れ日、そよぐ風に癒される。室内は軽井沢の四季を移す色彩と自然素材で構成。春の若草色、夏の深緑、秋の黄金色、冬の淡い白がカーテンや家具、ラグなどで表現され、浅間石やカラマツの丸太などを取り入れて自然のリズムを生み出している。ゆるやかな時の流れや季節の移ろいを部屋にいながら、五感で味わえるのだ。
快適な環境でサウナ三昧、深い睡眠に誘導される贅沢
ベッドは日本ベッド社製の最高級グレードを採用。体のラインに寄り添いながら、自然な眠りへと導くマットレスや、快眠セラピスト三橋美穂の知見を重ねた「OTO構造」ピローなど、機能性を重視した。ルームウエアはVENEXと共同開発したESSENCEオリジナルのリカバリーウエア。旅の中で「回復する時間」を提供している。
低刺激処方、和漢植物エキス配合のボタニカルなバスアイテムをそろえるなど、上質なバスタイムを楽しむための配慮も。サウナーによるサウナーのための専門ブランド「TTNE PRO SAUNNER」とサウナハットやポンチョ、サンダルをコラボするなど、サウナで整う時間を上質にするためのツールにもこだわった。滞在中、いつでも好きなタイミングでサウナを楽しみ、森を眺めながら水風呂に入り、整う。心地よいけだるさの中で、深い眠りに落ちると、心身がリセットされた感覚になる。日常を究極の上質に――これこそこの宿に滞在する目的だ。
何度も訪れたくなる宿泊者専用ミュージックラウンジ
木材を組み合わせた意匠が端正なアプローチを進み、館内に入ると森の空気に重なるような、柔らかな香りに包まれる。香りは齋藤智子の思想に基づいた、檜を基調とした落ち着きのある香り。エントランスロビーを抜けると森の光が差し込む宿泊者専用ラウンジに続く。ここもまた、軽井沢の森や自然にインスパイアされたインテリア。正面の大開口から森の風景が広がる。くつろぎながら、軽井沢に関する書籍を読み、軽食やドリンクを味わえる。うれしいのはチェックイン後にもうすでにスパークリングワインやリキュールなども並んでいること。しかも長野のワインや焼酎、地酒など、地元のお酒がそろうので、テイスティングするチャンスだ。
特筆すべきは音響システム。厳選されたアナログレコードがライブラリーのように並び、好きな盤を選んで心ゆくまで聴ける。ジャズ、クラシック、ポップスなどのジャンルではなく、朝、昼、夕暮れ、夜などその時間帯のムードに合わせて分類されているのも楽しい。まだ知らない新しいジャンルに出合えそうな予感がする。
ミシュラン二つ星「傳」監修の旬を発見するレストラン「SHIN」へ
味覚のフィールドでも新たなる感動を提供する。「ESSENCE KARUIZAWA」は宿泊棟とレストラン棟に分かれており、フロントのあるエントランス横の門をくぐって森の中へ歩んでいくとレストラン「SHIN」のエントランスが見えてくる。この森にはウッドベンチなども点在し、ゲストが自由にくつろぎ、自然とリンクする装置となっている。「SHIN」は「ミシュランガイド東京」で二つ星を獲得し、「世界のベストレストラン」11位に輝いた名店「傳」の長谷川在佑監修によるジャパニーズキュイジーヌ。軽井沢の新鮮な食材を生かした、独創的で遊び心溢れるコースはまさに「美食体験」。食材の香りや色、温度、触感まで意識し、軽井沢の季節を味わい、食の奥深さを学ぶ、高揚感がある。
「傳」で研鑽を積んだ田中博料理長が腕を振るい、カウンター席では料理人たちの技術や所作をライブのように間近に感じる。最初に本日の素材そのものを見せ、解説するというプレゼンテーションも「傳」直伝。コースはその日一番の旬をおまかせで、という一期一会の構成。コース「季節を綴るお献立」は、SHINからの心づけ、SHIN州おやきなど、地元信州を五感で感じる先付から始まる。また花束のように華やかで瑞々しく、主役のようにコースに組み込まれる「傳」のシグネチャーのサラダも健在。「軽井沢大地の恵みサラダ」として登場する。
長野伝統の食材と調理法、地酒やワインのマリアージュこそが醍醐味
旬の食材や調理法、器などを生かしたテーブルコーディネート、そして飲み物とのマリアージュもここでのディナーの楽しみだ。日本酒もワインも豊富な長野県。それぞれの料理に合わせたテイスティングはぜひ試してほしい。おやきと日本ワインのスパークリング、色とりどりの「前菜」と合わせる地酒「香月 至極」なども絶妙。信州サーモンと合わせた2025ビンテージのピノノワール系白ワイン「辛夷(こぶし)」は農薬や肥料もなにを使用したか明記されているなど、葡萄の栽培や醸造にもストーリーがあり、毎回、ソムリエの解説を聞くのが楽しみになる。諏訪の「真澄」と「熟成鰻の揚げ浸し胡桃と茄子の田楽」とのマリアージュもしみじみ美味しかった。強肴は「信州りんご和牛フィレ焼」、〆には「北軽井沢のきの子ごはん」と続く。土鍋の炊き立てご飯は朝ごはんでもいただける。
その人の人生のふとした瞬間にも携わりたい互助会が運営
「ESSENCE KARUIZAWA」をプロデュース、運営しているのは創業1969年の「メモリード」だ。婚礼・葬儀を中心とする互助会として50年以上、冠婚葬祭事業に携わってきたが、その間にある「日常のきっかけにもっと寄り添いたい」とう想いから、レストランやホテル、旅客輸送などさまざまな観光事業も推進。フィットネスや保育など、日常を豊かにする事業も展開している。今では首都圏や九州、沖縄などに、葬儀関連施設243施設、結婚式場32施設、レストラン35施設までに拡大。福岡や長崎など九州エリアのガーデンテラスホテルのほか、カヤツマ沖縄、ヴィラテラス前橋・ホテル&リゾートなどホテルも15施設運営している。
冬が来る前に 豊潤な秋を南軽井沢で体感
ありのままへ、還る旅。というのは壮大なコンセプトでもあるが、南軽井沢という立地がそれを気軽にする。北陸新幹線軽井沢駅までは東京から約1時間。そこから「ESSENCE KARUIZAWA」までは車で約10分というアクセスの良さなのだ。旧軽井沢のように商業施設に囲まれたにぎやかな観光地と違い、南軽井沢は自然豊かなエリア。あわただしい日常から、別荘や友人の邸宅に滞在するような贅沢な日常に、ゆるやかさにシフトしていく瞬間が心地よい。豊かな秋の味覚を、色彩を、静寂な南軽井沢で満喫したい。
そしてプライベートサウナと絶景水風呂、森とリンクするテラスがひと続きにつながるという動線のよさ。これもスペシャルだ。ここに滞在するときに読みたい本を抱えて、テラスで、ラウンジで、そして森の中で、自然と一体化しよう。
◾️エッセンス軽井沢
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉字広原21-44
総客室数:全12室
>エッセンス軽井沢 公式サイト