ファッション

「人生の“設計図“を再設計」Keio Fashion Creatorがファッションショーを開催

慶應義塾大学発のファッションサークル・Keio Fashion Creator(ケイオウファッションクリエイター)は12月21日、テレコムセンター アトリウムでファッションショー「設計図」を開催した。2002年に設立した当団体はエスモード・東京校と提携し、所属学生は週1度専門的な特別授業に出席。10年からは、団体活動の集大成としてショーを実施している。

今年度のテーマ「設計図」が表現するのは、人々が支配され得る人生の設計図への気づき、そしてその設計図を再設計することで変わり得る人生。設計図を人の行動や思考を無意識のうちに方向づける“構造“と捉え、会場は鉄骨の足場などを用いて支配構造を表現した。その中を35人のデザイナーが手掛けたメンズ、ウイメンズ合計46ルックが歩くことで、観客に設計図の存在に対する気づきを与えるというコンセプトだ。

代表の今村賢さんは、今回のショーを持って団体を引退、4月からは社会人となる。これまでの活動を振り返り、話を聞いた。

WWD:ショーを終えた率直な感想は?

今村賢(以下、今村):ショーを終えてまず感じたのは、準備時間や日々の積み重ねがショーという形で結実したというより、「あの時間に私たちが築いてきたものが、確かに存在していた」という手触りが残っているという感覚です。うまくいったことも、そうでなかったことも含めて、すべてがこの団体らしいショーだったと感じています。

ひと通り落ち着いた今、改めてこの団体の歴史の一端を担うことができたという実感とともに、1年間共に活動してきた部員、そして本ショーの開催にあたり携わってくださった関係者の皆様への感謝の気持ちを強く感じています。無事にショーを終えられたことへの安堵と同時に、3年間にわたる活動が一区切りを迎えたことへの寂しさもあります。多くの方々の支えの上に成り立ったこのショーは、自分にとって忘れられない経験となりました。

WWD:ショー開催にあたり、最も大変だった点は?

今村:会場の選定です。限られた予算や動員可能数、導線など多くの条件を踏まえながら、どの会場が最適かを検討しました。

複数の会場を内見した末に選んだテレコムセンター アトリウムは、本来ファッションショーを想定していない会場であったため、電源やランウエイ構造、裏動線の整理など考慮すべき点は例年以上に多くありました。しかし、「設計図による支配」を会場ディレクションで表現する上で、この場所が持つ解放感と質量性はコンセプトと強く結びついており、試行錯誤の末に今回のショーを実現できたことが非常に印象に残っています。会場確定後も何度も足を運び、動線や演出を想定したシミュレーションを重ねました。本番が近づくにつれて確認事項が増え、その都度現地での検証が必要でした。

正直なところ、ゆりかもめ線での交通費はなかなかの出費でしたが、それも含めて会場と真摯に向き合った時間だったと思います。結果として、空間の特性を最大限に活かしたショーにつなげることができました。

WWD:今回のショーをもって引退となるが、これまでの活動をどのように振り返る?

今村:約200人規模の団体をまとめることは決して簡単ではありませんでしたが、この一年間の活動は非常に充実したものでした。私は2年生で入部したこともあり、就職活動と団体の活動時期が重なる中で、当初は代表に立候補することに迷いもありました。それでも団体に向き合う中で、自分なりに責任を引き受けたいと考え、代表を務める決断をしました。

これまでリーダーを務めた経験がなかった分、幹部をはじめ多くの部員に支えられ、迷惑をかけてしまう場面も多くあったと思います。常に考え続け、試行錯誤を重ねる日々でしたが、その過程で得た経験や視点は、今後の人生において大きな糧になると感じています。
また、新たなことに挑戦し続けながらも、その土台となる基盤をていねいに固め、組織としてより強固なものにしていくことを意識して、この1年間団体運営に取り組んできました。部員として過ごした2年間とは異なる立場で団体に関わったからこそ得られた学びも多く、結果として、今では心から、代表として活動できて良かったと感じています。

WWD:次の世代にはどんな団体を築いてもらいたいか?

今村:この団体は年々規模が大きくなり、私が入部したころと比べても、より多くのことに挑戦できる環境になっています。次の世代には、その環境を必要以上に背負いすぎることなく、自分たちのクリエイションに対してどん欲で、自由に活動してもらいたいと思います。その一方で挑戦する姿勢を忘れず、Keio Fashion Creatorの部員であるという誇りを大切にしてほしいです。
また、本団体は単年度ごとに運営や表現が更新されていく特性を持っています。その時々のメンバーだからこそ生まれる価値観や表現を大切にしながら、この団体での活動が、将来振り返ったときに意味を持つ時間として記憶に残るものになることを願っています。

PHOTOS:RYOHEI HASHIMOTO

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