ファッション

【東コレ】「アディアム」デビューコレクションは、江戸時代後期の木版画に着目したモダン・ラグジュアリー

 東コレ初参加の「アディアム」は、「ELECTRIC OCEAN(エレクトリック オーシャン)」と題したコレクションを発表した。タイトルの言葉通り、グリーンイエローやラピスラズリを始めとするヴィヴィッドなエレクトリックカラーを採用しながら、海が持つ電流のようなダイナミズムを洋服で表現。インスピレーション源は、江戸時代後期の木版画で、中でも歌川国芳や葛飾歩草木などの海をテーマにした浮世絵をベースにデザイン。国芳の「宮本武蔵の鯨退治」に描かれるくじらのしっぽは、ネックラインやヘムラインに落とし込まれるなどシルエットのキーワードになったり、北斎の「金川沖の波」はワンピースやジャケットに華やかなビーズ刺繍で描かれたり。さらに江戸時代の木版画は、フランスの印象画に影響されたということにも着目し、印象派の絵画を彷彿とさせるオリジナルのカラープリントをあしらったドレスも披露した。

 デザイナーの前田華子は、フォクシーのオーナー・デザイナーである前田義子の愛娘であり、同社の副社長とPRディレクターを務める。デビューコレクションにもかかわらずフロントローには雑誌編集長や百貨店トップがずらりと並ぶ、珍しい光景の中ショーが行なわれた。コレクション終了後、「これまではサロン形式で発表していたので、初のランウェイショーは緊張しましたが楽しかったです」と前田華子。また、「今年の7月にニューヨークにアトリエを作り、刺繍やプリントなど新しい表現に挑戦してきました。大きな舞台に挑戦したいと思って今回の参加を決めたように、これからも色々なことにチャレンジしていきたい」と話した。ちなみにブランド名の「アディアム(ADEAM)」は名字の「前田(MAEDA)」の英表記を逆から読んだもので、子供のころからこのブランド名に決めていたという。

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