ファッション

「テロには屈しない!」 ケリングのピノー会長兼CEOやカールもコメントを寄せる

 13日(金曜日)に首都パリを襲った同時テロにより、フランス全土に非常事態宣言が敷かれて2日目の15日(日曜日)、「愛、希望、平和。それこそ、今、私たちが見出し、人々に呼びかけなければならないものだ」とラクロワ(Christian Lacroix)は言い切った。この多発テロにより、少なくとも129人が亡くなり、350人以上が負傷している。

 ケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者は、「金曜日の夜、フランスでは前例を見ない規模のテロリストの襲撃に、パリは見舞われ、恐怖に陥れられた。この悲劇に誰もが深い衝撃を受け悲しみに浸っている。このテロは我々の自由と人間性に対する攻撃だ。このような時こそ、いつもと変わらぬ生活を続け、我々の勇気と結束、さらに(テロに対する)警戒が怠りないことを示そうではないか」と述べた。

 警察は市民に自宅に留まるように呼びかけ、容疑者を捜索しているが、多くのパリ市民は制限された中でも可能な限り、通常通りの生活を続けようとしている。日曜日のマレ地区はかなりの人通りで賑わい、「A.P.C.」「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」「アメリカン ヴィンテージ(AMERICAN VINTAGE)」「ポール&ジョー(PAUL & JOE)」などのブランドやショップが店を開けており、テラスは客で満杯だった。

 日曜日にブティックをクローズしていたのは、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「バルバラ ビュイ(BARBARA BUI)」「ヴァネッサ ブリューノ(VANESSA BRUNO)」など。フラン・ブルジョワ通りのユニクロ旗艦店には、「警備のため、一時休業いたします。ご理解とご協力を感謝いたします」と店舗正面にお知らせが張られていた。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は非常事態宣言の延長を宣言し、いかなる集会も禁止されている中で、レピュブリック広場周辺には大勢の人々が足を運んでテロの犠牲者への哀悼と団結の意を示していた。集まった人々はキャンドルを灯し、自由と民主主義の象徴であるマリアンヌ像の足元に、「我々は自由だ」「我々は共和国だ」などと書かれたメッセージや花を備えていた。

 同じような光景は、多数の死者を出したバタクラン劇場でも見られた。

 ファッション業界でも、多くのデザイナーが悲しみに暮れつつも、テロに屈しない姿勢を露わにしている。
ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)は日曜日、「今やこのようなテロ事件は珍しいものではなくなってしまった。悲しいことだが、これでおしまいではないだろう」と述べ、政府と警察が「見えない軍隊」と対決している現状を嘆いた。「だが、我々はテロリストに屈してはならない」。

 カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)はこの事件で、仕事仲間やジャーナリストの友人など、5人もの親しい人々を失った。彼は、シリアを攻撃する前から軍事介入の警告を受けていたオランド大統領を、「彼はフランスの大統領だ。フランス国民を守るのが彼の役目ではないのか。これはただ一つの敵と戦えば済むという単純な戦いではない」と非難した。

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