ファッション

ヤギがディアミーとサステナイベント “好き”を通してファッションのより良い未来を目指す

 繊維商社のヤギ(YAGI)は、同社が協賛・協働するNPO法人ディアミー(DEAR ME)主催のイベント“BETTER FASHION, BETTER FUTURE”に出展し、同社が持続可能な社会の発展を目指して発足したエシカル・サステナビリティ活動プロジェクト「ヤギシカル(YAGIthical)」のポップアップストアを3月14〜18日の期間、大阪・梅田のNU茶屋町に開いた。最終日は、ヤギのメンバーと西側愛弓ディアミー代表兼「ココ(CO×CO)」代表取締役(以下、西側)によるトークイベントも実施。“「好き」を通して社会課題にアクションしよう”をテーマに、ファッション産業が抱える社会課題解決にどう取り組むかについてを考え、語り合った。

 60分間のトークイベントは3つのテーマで構成。1つ目のテーマ「ぶっちゃけZ世代・ミレニアル世代の本音トーク」では、社会課題への関心が高いとされるZ世代だが、興味を持ちつつも実際にアクションを起こせているのは9%という現状について語り合った。ヤギ・マテリアル部門営業の曽和亮太(以下、曽和)は、「手に取りやすいアイテムや自分が気付かないところで実は社会貢献できている、でもいいと思う。小さなアクションから始めていければ」と述べた。さらに、10年前に古着店で購入したセーターを着て登壇した曽和は、「長年愛用しているが、全然毛羽立たない。いい買い物ができた。これも1つのアクション」と続けた。西側も、「自分の“好き”が入り口となり、それが愛着に変わり、結果社会課題やエシカルに結びついているのがすてき」と賛同した。また、Z世代である西側は、「サステナビリティやSDGsをトレンドとして終わらせてはだめ。言葉に惑わされず、好きを通して自分がどう長く向き合っていけるか。自分は何が好きで、社会とどう関わるのが心地いいかをベースに考えられたらいいのでは」と思いを伝えた。

 2つ目のテーマは「『好き』を通してできるアクション」。「『好き』なものの“もと(素材や背景)”を知る」という話題では、ヤギの藤井豊アパレル部門営業課長は、同イベントにも出展していたエコバッグを活用した新たなパッキングプラットフォーム「ルーパック(LOOPACH)」について説明。「どうアクションをしたらいいか分からない人もいると思う。普段の何気ない買い物の中で、『ルーパック』の機能がついたエコバッグを使うことで公益ポイントが貯まり、そのポイントを自分が支援したい団体などに寄付すれば世の中に還元できる。『ルーパック』が社会との関わりを築く1つのきっかけになれば」と語った。

 さらに、登壇者自身のアクションについても紹介。ヤギ人事部の宮川沙良は、「ツバメタオル」の工場見学に行った際に、「少しのほつれや、近くで見ても気付かないぐらいの欠陥で規格外商品になるタオルが多数倉庫に眠っていることを知った」と振り返り、それらのタオルを有効活用すべく、ディアミーと協働し、アップサイクルタオル「ムスブ(MUSUBU)」を作ったと誕生の背景を明かした。

 3つ目のテーマ「共により良い未来につなげよう」では、企業やNPO法人、団体の枠を超え、規模の大小を問わず連携する大切さや意義について話し合った。ときに参加者に話題を投げかけながら、60分のトークイベントは終わりを迎えた。

 展示スペースでは、オーガニックコットンを介したインドの綿農家とその子どもたちの就学支援を行う「ピースバイピース コットンプロジェクト(PEACE BY PEACE COTTON PROJECT)」をはじめ、ヤギが繊維を通して行っている社会や環境に配慮した取り組みを紹介。「ルーパック」や「エイトワール(EITORE)」の吸水サニタリーショーツ、「ムスブ」のアップサイクルタオル、ミャンマーで有機栽培したコーヒー豆を使用した「ヤギシカルコーヒー(YAGITHICAL COFFEE)」なども販売した。他にも、ディアミーによるシルクスクリーン体験や裁断くずを使ったポストカード作り、Z世代のインフルエンサー3組(Arisa、Kaede、Nozomi)によるフリーマーケットなども実施した。

※SHIBUYA 109 lab.調べ

PHOTOS:CHIE FUKAMI
問い合わせ先
ヤギ
03-3667-4887