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国際毛皮連盟がサンフランシスコの毛皮製品販売禁止条例の撤回を求め提訴

 国際毛皮連盟(The International Federation 以下、IFF)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市が2018年に可決した新品の毛皮製品の販 売禁止条例が違憲だとして、撤回を求めて提訴した。禁止条例は「倫理や道徳を法で縛る行いだ」と批判するIFFは、禁止すること自体が違憲であり、通商条項に違反していると主張する。

 マーク・オーテン(Marc Oaten)IFF最高経営責任者(CEO)は、「もしこの法律の存在が許されるなら、サンフランシスコはウールもレザーも食肉も、もしくは規模の小さな活動家団体が認めないと主張するその他の製品も禁じなければならなくなる。カリフォルニア州の住人はほかの州の住人と同等の権利が与えられるべきで、公共的に安全で健康被害がなく、法的に認められた商品であれば購入の自由が保障されるべきだ。しかし、カリフォルニア州には現在それが存在しない」と訴える。

 そのほか、IFFは新しく作られた毛皮製品の販売を禁止することは地元のビジネスに影響を与えるだけでなく、石油とプラスチックベースの繊維から作られることが多い人工毛皮製品は環境に害を及ぼすと主張する。IFFによると、サンフランシスコでは毛皮を年間4000万ドル(約44億円)販売しており、毛皮産業は世界規模で230億ドル(約2兆5000億円)の市場だという。

 毛皮禁止条例や毛皮を使用しないことを決めたブランドを支持する団体のザ ヒューマン ソサイエティ(The Human Society)はIFFの主張について、条例は民主主義的なプロセスを踏んで成立したものだと反論する。同団体のキティー・ブロック(Kitty Block)プレジデント兼CEOは、「動物虐待を行う産業が民主的に決まった人道的な法律を何度も覆そうとし、何度も失敗しているさまを見てきた」と話す。また、IFFが主張する環境問題については、「毛皮用に飼育される動物は絶え間ない恐怖の中で、小さなケージに押し込められ、ガス処刑や感電死による恐ろしい死を待つ。そして動物から剥いだ毛皮は腐敗を防ぐために有毒な化学物質によって処理され、環境問題的にも最悪だ。消費者はこの種の環境破壊およびアニマルウエルフェアへの冒瀆を支持しない。毛皮産業の関係者には、現状維持のためにむやみに行動を起こすのではなく、革新的なファーフリー素材に焦点を当てて行動することを求めたい」と語る。

 サンフランシスコの販売禁止条例は19年から施行されているが、「カナダ グース(CANADA GOOSE)」を含む一部のブランドは保有している在庫に限り20年まで販売が許可されている。また、同州ではサンフランシスコのほかにロサンゼルス市でも19年から新品の毛皮製品の販売を禁止している(ただし、ビンテージの毛皮やレザーを使用したアイテム、食用動物から刈り取った毛を使用したシアリングや牛革製品、宗教目的で使用する毛皮製品などは除く)。ニューヨーク州やハワイ州でも同様の条例が検討されているという。

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