競売会社「サザビーズ(SOTHEBY'S)」はニューヨークで12月9日に開催する「ラグジュアリー・ウイーク」の一環で、オークションに故ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元英国皇太子妃(以下、ダイアナ妃)が着用した“リベンジドレス”を出品する。落札価格は15〜30万ドル(約2320万〜4630万円)になると見られている。オークションに先立ち、9月18日にロンドンを始め、各地で巡回展示が行われ香港やジュネーブ、ニューヨークへと運ばれる予定だ。
1997年の売却後、このドレスはスコットランド各地でのチャリティ・イベントで使用された。最後に展示されたのはスコットランドのペイズリー博物館だが、その後、同ドレスは30年近くにわたり公の場から姿を消した。
ドレスは署名入り
同ドレスには希少なオリジナルのカタログの一冊も含まれる。同カタログにはシリアルナンバーとダイアナ妃および同ドレスのデザイナーのクリスティーナ・スタンボリアン(Christina Stambolian)の署名が入っている。またオークションの提案をした人物として若きウィリアム王子(Prince William)の名が記される。売却益の一部は、ロイヤル・エディンバラ病院を代表してNHSロージアン・チャリティーに寄付する予定だ。
同ドレスは1997年以来、個人コレクションとして保管されてきた。匿名を希望している出品者は、このドレスについてファッションやセレブリティーといった枠を超越した存在だと述べている。
その人物は「オークションで入札し、落札できたことは夫と2人で過ごした日々の中でも素晴らしい思い出の1つでした。彼が亡くなり、夫との章は閉じられました。ですから、このドレスとの章もまた閉じるべき時なのだと思います。私たちがそうであったように、このドレスを所有することを楽しんでくれる方の手に渡ることを願っています」と語った。
“リベンジドレス”の詳細
ダイアナ妃は同ドレスを1994年に、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開かれた慈善晩餐会で着用していた。当時別居中だった夫のチャールズ皇太子が自身の不倫をテレビで公表した夜だった。同ドレスは、“リベンジドレス”の言葉を生み出した。失恋や離婚の直後に元パートナーや世間に向けて、自信や自立心、過去との決別を表現するためにまとう衣装を指している。
ダイアナ妃がパリでの自動車事故で亡くなる数カ月前となる1997年6月に同ドレスは初めて売却された。ダイアナ妃が、がんやエイズ関連の慈善団体への寄付金を集めるためにオークションに出品した79着のドレスのうちの1着だ。
モルガン・ハリミのコメント
「サザビーズ」のハンドバッグ・ファッション部門のグローバル責任者を務めるモルガン・ハリミ(Morgane Halimi)は「ダイアナ妃は、自身の人生において最も世間の注目を集め、感情的にも激しい波乱を伴った出来事の最中に、そのドレスを自らの意志で、彼女が発した最も力強いメッセージの1つへと変えたのです」と述べた。
さらに「世界中でバイラルな話題となったあの出来事は、とりわけ女性たちを始めとした誰もがファッションを単なる装飾の域を超え、盾や武器、あるいはその両方としてより意図的かつ意義深いものとして活用するきっかけを与えました。ダイアナ妃は、自身の物語の多くを他者によって語られていた状況にありましたが、自ら選んだ装いを通じて自身の物語の主導権を取り戻したのです」と付け加えた。