「サンタ・マリア・ノヴェッラ(SANTA MARIA NOVELLA)」のルディヴィーヌ・ポン(Ludivine Pont)最高経営責任者(CEO)が退任していたことが分かった。米「WWD」の取材に対し、同社が認めた。後任は現時点で決まっておらず、同社は「取締役会は、ポン氏が担っていた職務を取締役会メンバーに再配分した」とする簡潔な声明を発表した。ポン氏の今後の去就は明らかになっていない。
グローバル展開を担うも約1年で退任
1221年創業の「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は、“世界最古の薬局”とも称されるフィレンツェ発のビューティブランド。ポン氏は、ブランドの伝統や職人技を生かしながら、グローバル展開を加速させる役割を担っていた。同ブランドは2020年に投資会社イタルモビリアーレ(ITALMOBILIARE)の出資を受けて以降、グローバル展開と事業変革を加速させてきた。同社にとって香水・化粧品分野への初の投資案件でもある。
現在は香水や石けん、ポマード、スキンケア、キャンドルなど600種以上の商品を展開。イタルモビリアーレの傘下に入った後は、サステナビリティへの対応を目的に一部商品を見直す一方、ブランドの歴史を生かした商品開発を推進。22年にはブランド創業800年の歴史で初となるオードパルファン“アイリス”を発売したほか、スキンケアカテゴリーも強化し、若年層の顧客獲得につなげている。
「バレンシアガ」「モンクレール」でブランド成長に貢献
ポン氏は昨年9月1日付で、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の最高マーケティング責任者(CMO)から「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のCEOに就任した。「バレンシアガ」では21年からCMOを務め、デムナ(Demna)=前アーティスティック・ディレクターと密接に連携しながら、ブランドのグローバル展開やデジタル・イノベーションを推進した。ポン氏がCMOを退任した当時、「バレンシアガ」はデムナの「グッチ(GUCCI)」アーティスティック・ディレクターへの転籍や、後任へのピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクターの起用など、大きな転換期を迎えていた。
ポン氏は「バレンシアガ」以前、16年に「モンクレール(MONCLER)」に入社し、グローバル・マーケティング&コミュニケーション・ディレクターを務めた。レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼CEOの下でブランド改革を進める中、18年に始動したデザイナーとの協業プロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」の立ち上げに携わった。「モンクレール」以前は、「フィリップ プレイン(PHILIPP PLEIN)」のグローバル展開にも貢献している。