韓国最大のヘルス&ビューティーストア「オリーブヤング(OLIVE YOUNG)」が5月29日、米国1号店となる旗艦店をカリフォルニア州パサデナにオープンした。韓国内で1380店以上を展開する同社にとって本格的な米国市場進出の第一歩となる店舗で、オープン前夜から徹夜で並ぶ来店客も現れた。「オリーブヤング」によると、オープン初日の5月29日から31日までの3日間で約6000人が来店し、Kビューティ人気の高さを印象付けた。
店舗前ではオープン前日の午後から行列ができ始め、開店当日には数百人が列を作った。行列は約4ブロック先まで伸び、一部の来店客は深夜から待機していたという。約803平方メートルの店内では、約400ブランド、5000点以上の商品を展開する。ラインアップには、「トーム(THOME)」「イクォルベリー (EQQUALBERRY)」「プリメラ(PRIMERA)」「センテリアン24(CENTELLIAN24)」「アイソイ(ISOI)」など、米国の実店舗で初展開となるブランドも含まれる。
体験型の売り場でKビューティを訴求
入り口付近には売れ筋商品を集めた「トップ・ピックス」コーナーを設置。「ラウンドラボ(ROUND LAB)」の“バーチ・ジュース・モイスチャライジング・サン・セラム”、「リジュラン(REJURAN)」の“デュアル・エフェクト・アンプル”、「フードオロジー(FOODOLOGY)」の“コレオロジー・カッティング・ジェリー”などを紹介している。また、「アーバンディケイ(URBAN DECAY)」と「メディヒール(MEDIHEAL)」を対面配置するなど、米国ブランドとKビューティブランドを組み合わせた編集を採用。商品テスターを充実させたほか、洗顔カテゴリーを集積した「Cleanse Bar」、アイケアの専門スタッフが常駐するカラーコンタクトレンズブランド「ハパクリスティン(HAPA KRISTIN)」の売り場などを設け、体験型の売り場づくりを打ち出した。
来店客の多くは、これまで韓国旅行や越境ECを利用しなければ購入できなかったブランドを目当てに訪れた。パサデナ在住のサマンサ・サクティ(Samantha Sakti)さんは、「韓国ブランドは刺激が強すぎず、肌に優しい」と話し、「アヌア(ANUA)」や「トリデン(TORRIDEN)」、「メディヒール」の商品を目当てに来店したという。ロングビーチ在住のアルナー・マルカイダ(Alnar Marcaida)さんは、韓国旅行中に知った「ビープレーン(BEPLAIN)」や「リジュラン」の商品を購入するためにオープン初日に訪れた。「韓国で使って気に入った商品を米国で購入できるようになったのがうれしい」と語った。
スキンケア関連が売り上げの6割超 米国でも高まる関心
「オリーブヤング」によると、オープン初日の売上構成ではスキンケア、サンケア、シートマスク、洗顔料が全体の60%以上を占めた。続いてリップアイテムやクッションファンデーションなどのメイクアップカテゴリーが好調で、ヘアケアやボディーケア、ウェルネス商品も堅調な売れ行きを見せた。
こうした売れ行きは、米国の消費者の間でスキンケアへの関心が高まっていることも示している。カルバーシティ在住で不動産管理会社に勤務しながらメイクアップアーティストとして活動するリズ・ナバー(Liz Navar)さんは、100ドル(約1万5000円)以上の購入で適用される20%割引を利用し、約500ドル(約7万円)分の商品を購入した。「私たちは年齢を重ねても美しくありたい。メイクの前に肌を整え、しっかりケアすることが大きな違いを生む」と話した。ナバーさんは「ウェラージュ(WELLAGE)」の“リアル・ヒアルロニック・アンプル”をはじめ、スキンケアやウェルネス商品をまとめ買いしたという。
また、一部の消費者からは、米国進出に合わせて開設した米国向けECサイトについて韓国版との商品や処方の違いを疑問視する声も上がっていた。これに対し、レナ・キム(Rena Kim)グローバルコミュニケーション責任者は、「一部の日焼け止め商品を除き、米国店舗およびECサイトで販売する商品の大半は韓国で販売しているものと同一の商品・処方だ」と説明する。米国では日焼け止めが一般用医薬品(OTC)として規制されるため、一部商品については処方変更が必要になるが、それ以外のカテゴリーでは変更は最小限にとどまっているという。また、限定品やコラボ商品、特別セットなどについては米国内販売に向けた登録手続きが必要なため、現時点では取り扱いが限定されている。一方で同社は今後、米国限定商品やコラボレーション企画、新規ブランドの導入を進める方針だ。
2027年前半までに5店舗以上を出店予定
同社は韓国内で2025年に約42億ドル(約6678億円)の売上高を計上。パサデナ店を米国事業拡大の起点と位置付けており、クォン・ガウン(Gaeun Kwon)CJオリーブヤングUSA最高経営責任者(CEO)によると、27年前半までにカリフォルニア州内で少なくとも5店舗を追加出店する計画だ。ロサンゼルスエリア2店舗目は、ショッピングセンター「ウェストフィールド・センチュリーシティ(Westfield Century City)」への出店を予定している。クォンCEOは米国事業について、「これは始まりに過ぎない。今後も品ぞろえを拡充し、より多くの韓国ブランドを米国の消費者に届けていく」と語った。