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TWICEのメンバー3人起用のカラコンメーカー、スウィートが“大人市場”を開拓 印象を「整える」新提案

TWICE起用でカラコン企画販売のスウィートが大人市場を開拓 印象を「整える」新提案

カラーコンタクトレンズの企画・販売を手掛けるスウィートは昨秋、 TWICEのジョンヨン、サナ、ミナを起用した新ブランド「スウィートワンデー(SWEET 1 DAY)」を立ち上げ、“大人カラコン”市場の開拓に乗り出した。同社は2008年に創業。当初は化粧品事業を展開していたが、創業3年目にカラコン市場へ参入。主力ブランド「モテコン(MOTECON)」などを軸に成長を続けてきた。現在は、自社ECを中心にドン・キホーテやドラッグストア、各種ECモールなどで18ブランドを展開している。堅調な成長を続ける中で、“大人世代”という新たな顧客層の開拓を図る。創業者である萱間美都里 代表取締役CEOと弟の萱間昌德 取締役副社長に、新ブランドの開発背景とカラコン市場の展望を聞いた。

法改正を契機にカラコン市場に参入

WWD:起業やカラコン事業に参入した経緯は?

萱間美都里 代表取締役CEO(以下、美都里):元々は化粧品の企画・製造会社で会社員として働いていました。その中で「自分の責任で製品を世に出したい」という思いが強くなり、1人で会社を立ち上げたのが始まりです。当初は化粧品事業を展開していましたが、09年の薬事法(当時)改正を契機にカラコン事業へ参入しました。それまで雑貨扱いだったカラコンが高度管理医療機器に分類され、参入障壁が上がるタイミングでしたが、移行期間中の11年にカラコンブランド「モテコン」を発売しました。

萱間昌德 取締役副社長(以下、昌德):参入を決めた大きな理由は、当時の市場構造です。カラコンは視力を補正できないものが多く、「つけたいけどつけられない」という人がたくさんいました。市場のうち視力補正が不要な人は3割程度で、7割以上は補正が必要な層だった。医療機器分類になれば度数展開が可能になり、市場は広がると考えました。

美都里:もう一つ感じていたのは、カラコン製品の美容的な提案の不足です。当時のカラコンは「色を変える」ことが価値の中心でした。でも、目の色を変えることより「どう見られたいか」「どんな印象を与えたいか」の方が本質的ではないかと思ったんです。もっと美容要素を掛け合わせれば、ニーズは広がると感じました。

「モテコン」で印象価値を
言語化し大ヒット

WWD:カラコン事業の成長過程について教えてください。

美都里:当時、他社製品は色名や発色の訴求が主でしたが、「モテコン」では「どう見られたいか」という気持ちを軸にしました。「モテる」という言葉に、かわいくなりたい、魅力的に見られたいという誰もが持っている欲求を込めたのです。

昌德:競合メーカーはピーク時で50社近くありました。当社を含めて多くのメーカーが1〜2ブランドを展開していました。その後、廃業やM&Aが進み、市場自体は伸びていますが、現在は10社程度がそれぞれ複数ブランドを展開する構造になっています。私たちは流行を追うよりも、まだ強く打ち出されていない切り口を提示することを意識しました。結果として若者を中心に支持を集め、成長につながりました。

WWD:ブレークスルーとなった出来事は何だったのでしょうか。

美都里:創業から7年目に、安全性の観点から主力だった長期使用レンズが販売できなくなるという大きな危機がありました。売り上げが急落し、本当に厳しい1年でした。

昌德:業界はワンデー(1日使い捨て)コンタクトレンズへシフトしていましたが、私たちはマンスリー市場に活路を見いだしました。そしてティーン世代から絶大な支持を集め始めていたインフルエンサーのなえなのさんをイメージモデルに起用したのが大きな転機になりました。まだテレビ露出が本格化する前のタイミングでしたが、彼女の感度と影響力に可能性を感じました。その製品が大きくヒットし、1年で業績を回復することができました。

TWICEのジョンヨン、サナ、ミナ起用で描く
“印象設計”とレンズ開発へのこだわり

WWD:新ブランドでTWICEのメンバー3人を起用した理由を教えてください。

美都里:年齢を理由にカラコンを卒業してほしくない、という思いがありました。TWICEの皆さんは華やかさだけでなく、品や信頼感を持ち、長く第一線で活躍されています。その姿が、私たちの掲げる「人生に伴走するブランド」像と重なりました。

WWD:3ラインのコンセプトとレンズ開発におけるこだわりは?

美都里:「スウィートワンデー」では、大人の女性が「なりたい印象」で選べる設計にしました。ミナさんを起用した女神のような美しさを引き出す“メビラージュ(MEVILAGE)”、サナさんを起用した自信を語る主役のまなざしを演出する“ラディリス(RADIRIS)”、ジョンヨンさんを起用した個性を覚醒させる“ガールクラッシュ(GIRL CRUSH)”というラインアップです。目を大きく見せるためではなく、印象を整えるためのカラコンとして設計しました。

昌德:レンズのデザインはドットで表現し、その密度や透け感で印象が変わります。日本市場は大きいレンズ志向が強いですが、今回はあえて「きれいに見せる」サイズ感を意識しました。大人が無理なく使い続けられるバランスを追求しています。

韓国制作チームと作り上げたビジュアル

WWD:撮影の裏側や、3つの世界観・ビジュアル作りで意識したことは。

美都里:撮影は韓国で行い、制作チームも全て韓国のスタッフでした。言語や文化の違いもあり、通訳を介しながら細部まで擦り合わせを重ねました。その分、世界観の解像度は高まったと感じています。

昌德:今回のテーマは「強く見せる」でも「盛る」でもなく、「整える」でした。だからビジュアルでも、過度な演出は避けました。光の入り方、瞳に映る艶、肌とのなじみ方。カラコンが主張し過ぎず、それでいて自然に印象を変えている。その静かな変化が伝わるバランスを追求しました。

美都里:TWICEの皆さんの魅力を損なわないことが何より大切でした。レンズを強調するためのビジュアルではなく、あくまで彼女たちのまなざしが主役。その延長線上に、自然とレンズの存在があるように設計しました。韓国の制作チームは、表情の引き出し方や空気の作り方が本当に繊細です。完成したビジュアルを見たとき、想像以上に奥行きがありました。ただ美しいだけでなく、内面の強さや静かな自信がにじむ。まさに今回のコンセプトである「印象を整える」という思想が、言葉ではなくビジュアルで表現できたと感じています。

昌德:カラコンのデザインは、ほんの数ミリの違いの世界です。でも、その数ミリが人の印象に影響を与える。だからこそ、写真一枚の中で、その変化が自然に伝わることにこだわりました。

WWD:今後の事業展望を教えてください。

美都里:“Girls, be Ambitious. Girls, be Happy.”が私たちのコーポレートメッセージです。ここでいう“Girls”は年齢や性別ではありません。自分の人生を主体的に選ぼうとする姿勢です。今後は乱視や老眼など年齢とともに生まれる課題にも対応し、スペックの充実を図ります。「盛る」か「カラコンをしない」という二択ではない、目元のベースメイクという新しい価値を提示していきたいです。

昌德:ユニセックス領域にも挑戦したい。男性がカラコンをつけていても自然な市場を作りたいと思っています。また、ECだけでなくリアルのタッチポイントも広げ、大人世代にしっかり届く導線を整備していきたいですね。

美都里:カラコンは“ささやかな魔法”です。誰かになるためではなく、今の自分を少し好きになるための存在であり続けたいと思います。

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