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特集 CEO2026

【デイトナ・インターナショナル 高橋正博社長CEO】圧倒的な熱量で ワクワク・ドキドキを世界に

PROFILE: 高橋正博/社長CEO

高橋正博/社長CEO
PROFILE: (たかはし・まさひろ)1969年2月生まれ。神奈川県出身。2008年にサンエー・インターナショナル(現TSIホールディングス)に参画。アパレル、飲食、海外、特例子会社など多岐にわたる分野で、関連会社の社長を務める。現在はTSIホールディングス執行役員とデイトナ・インターナショナル社長CEOを兼任 PHOTO : KAZUO YOSHIDA

2025年9月にTSIホールディングス傘下となったデイトナ・インターナショナル。TSIにとってM&Aの決め手となったのは、デイトナが持つ唯一無二の個性だ。新たに同社を率いる高橋正博社長は、「ワクワク・ドキドキを届けるデイトナの熱量こそが今の時代の武器になる」と繰り返す。肝になるのは熱量を体感してもらう箱としての実店舗。26年は初のアジア進出も見据える。

「ワクワク・ドキドキ」を届ける
実店舗の魅力をさらに磨く

WWD:2025年9月に着任したデイトナ・インターナショナルの第一印象は?

高橋正博社長CEO(以下、高橋):社長に就任してから全国の店舗をまわり社員一人一人に会い、言葉を交わすことに時間を使っている。そこで一番驚いたのは、社内の熱量の高さだ。ファッションにとどまらない「ワクワク・ドキドキ」を本気で形にしている会社だと思ってはいたが、実際に入社するとその空気感は想像以上だった。

WWD:社長就任後、最初に意識したことは?

高橋:まず、強く意識したことはデイトナの個性と強みをより強化していくことだ。 今後、市況やマーケットに合わせて方向転換していくことはあったとしても、「デイトナが築いてきたものを、より進化させ、磨き上げていくことを大切にしていく」と丁寧に社員に伝えているところだ。 当然ながら、TSIグループ入りしたことにより仕入れの集約など、お客さまに価値を提供できる領域においては、スケールメリットを活かして効率化を進めていく。

WWD:2026年のテーマは?

高橋:新たな経営体制になったからこそ、コーポレートビジョン「LIFE TO BE FREAK~情熱と共に生きる豊かさを、世界に~」に立ち返り、「ワクワク・ドキドキ」の体現を今まで以上に強めていきたい。そのためには、社員の熱量を「フリークス ストア(FREAK'S STORE)」の店舗や自社ECストア「デイトナパーク(DAYTONA PARK)」を通じてお客さまに伝えていくことに尽きる。

WWD:強みの一つである「デイトナパーク」だが、会員数は今後どう増やす?

高橋:会員数は安定的に増加している。実店舗で「ワクワク・ドキドキ」を体感してもらい、そこから「デイトナパーク」に訪れていただく。また、その逆など、両チャネルで相互に送客することが理想だ。そのためにいま注力したいのは、実店舗の魅力をさらに磨くこと。出店余地はまだまだある。TSIグループと足並みをそろえていきつつも、出店においては、商圏の大小よりも、その土地にどんなカルチャーやコミュニティーがあるかといった独自の出店価値基準を重視しながら進めている。海外については、アジア圏は継続的にリピーターや顧客も増えているが、欧米からも目的客が増えており大きなポテンシャルを秘めている。今年は本格的に海外展開も視野に入れており、まずはアジア圏からのスタートを検討している。

WWD:課題は?

高橋:営業利益率の改善だ。ここ数年の売り上げは、店舗数の増加に比例して右肩上がり。2025年は過去最高だった。この急成長の裏側を冷静に分析する必要がある。例えばセレクトショップとして、豊富なバリエーションで世界観をつくり上げるのと、単に自分たちが不安だから幅を広げて仕入れるのでは全く意味が違う。特に店舗では、魅力的な商品を縦積みにして責任を持って丁寧にプロパーで売り切る姿が理想。過度な値引きや横広がりな仕入れなどは見直していく。

WWD:デイトナの最大の強みは何だと捉えている?

高橋:音楽や映画、鉄道、フードまでさまざまなカルチャーを含め、生き方そのものとしてのファッションを提供できる箱を持っていること。ハイエンドな服もあれば、注目のラップトリオ「KNEECAP」などの通なコンテンツまでそろえているのは当社ならでは。だからこそ、多種多様なファンがいる。熱量の高い「好き」を集めたセレクトショップであることは、創業以来変わらない強みだと思う。ファッションの世界では、「お客さまの半歩先を提案」と言いがちだが、当社の役割は、過去でも未来でもなく、常に最新の「今」の時代を体感できるコンテンツでワクワク・ドキドキを提供し続けることだ。

WWD:地方行政との連携など、地域のコミュニティーづくりも特徴だ。

高橋:25年は3月に長野市、続いて6月には長野県とそれぞれ包括連携協定を締結した。長野市とは市のブランドデザインと「フリークス ストア」のロゴを用いたマンホールを制作した。マンホールまで作ってしまう洋服屋なんてなかなかない(笑)。また、25年にオープンした京都の路面店でも、地元の老舗手拭い専門店「永楽屋」によるストアフラッグや、京都の地産材である「みやこ杣木(そまぎ)」を使用した立て看板など、ローカルの魅力を多く取り入れている。これだけローカルカルチャーを重んじたコミュニティー型の店づくりは、独自の強みだと感じた。

個人的に今注目している人

デイトナの全スタッフ

着任したばかりだからこそデイトナにどのような人がいて、どのような思いを持っているのかに、強い興味と関心がある。 複数回実施したタウンホールミーティングでは、リラックスできるカフェで、できるだけざっくばらんにコミュニケーションを取り、各社員の考えや空気感に触れた。週末には全国の店舗を巡り、店舗スタッフとの交流も重ねている。今期中には、65店舗すべての店舗をまわることができそう。

COMPANY DATA
デイトナ・インターナショナル

1986年茨城県古河市に「フリークス ストア」1号店をオープン。90年デイトナ・インターナショナル設立。96年に渋谷店をオープンし全国展開。現在の店舗数は65店舗。協業規格住宅「フリークスハウス」、コワーキングスペース「アンドフリーク」、映像事業「フリークスムービー」なども手掛ける。2026年より米アウトドアブランド「フィルソン」のサブライセンシーに。グループ企業には「イノベーションスタジオ」「スモーキーサンデー」など。25年9月からTSIグループに参画

問い合わせ先
デイトナ・インターナショナル
https://daytonajp.com/contact/