ファッション

「バーバリー プローサム」2015年春夏ロンドンメンズ 40年代に潜む、見逃せない90年代のエレメント

 「バーバリー プローサム(BURBERRY PRORSUM)」の2015年春夏ロンドンメンズは、1940年代のブックカバーのタイポグラフィーなどにヒントを得た。紀行作家ブルース・チャトウィンのスタイルにインスパイアされたコレクションは、もちろんトレンチコートを筆頭に、フィールドジャケットやストールまで、旅に適したアイテムばかり。ナスのような色合いの強いパープルやターコイズ、プラム、ビリジアンなどのポジティブ&ボールドカラーを全面にのせ、ノスタルジックなスタイルを現代的かつポップに昇華していく。足元には、こうしたチアフル(楽しくなる)カラーをブロッキングしたスニーカー。過去のアーカイブだけにとらわれず、インスピレーション源を、現在を含めたイギリス全般に広げたクリストファー・ベイリーならではのアイテムだ。

 アクセサリーは、ブックカバーに描かれたタイポグラフィーをのせた大容量のハンドルバッグやノートブック、ストール、それにチューリップハット。ウエアと同じカラーでまとめている。

 イギリスに刺激をえるという独自のスタンスをとるため、「バーバリー プローサム」は、時にトレンドとは異なる提案が目立つ時もある。今回も一見すると、レイヤードは少なく、カラーリングもポップ。アイテムを重ねつつ、ブラックを基本とするモノトーンでミニマルにまとめるブランドが多い15年春夏のトレンドとは一線を隠しているかのようだ。

 しかしポップとはいえ、1つのスタイルは1色にまとめたモノトーンは、90年代に通じると言えなくもない。カシミヤやリネン同様に多用したデニムは、耐久性に優れた旅向きの素材として選ばれたが、これも90年代を思わせる。アイデンティティとトレンドが巧みに交差した。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。