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ジンズが世界初の“近視の進行を止めるメガネ” 医療機器認定目指し、慶大と共同開発

 アイウエア大手のジンズホールディングス(以下ジンズ)は、慶応大学医学部発ベンチャーの坪田ラボと共同で、バイオレットライトを活用して近視を抑制する世界初のアイウエアの開発をスタートする。両社は医療機器の認定を目指して2020年から治験を開始し、2023年ごろの認定取得と製品販売を目指す。8月7日に東京都内で行った記者会見で、田中仁ジンズ(JINS)社長は「近視は世界的に拡大する医療リスク。医療機器としての認可を取得することで、視力の矯正ではなく、一歩先の近視の抑制という新しい分野にチャレンジする」と語った。

 坪田ラボの社長で、慶応義塾大学医学部の坪田一男教授によると、近視人口は世界的に急拡大しており、2000年に15億人程度だった近視人口は2050年には人口の約半分、47億6000万人になるという。「近視は失明につながる恐れのある見過ごせない疾患で、中国では国を挙げたプロジェクトも推進されている。子どもから大人まで、外で過ごす時間が減少し、バイオレットライトを浴びる時間が減っていることが原因の一つと考えられている」と指摘する。

 バイオレットライトは太陽光に含まれる短い波長の光線で、坪田教授ら慶大医学部の研究チームは、近視の進行を抑制する効果があることを突き止めていた。新製品は、フレームの内側から屋外に3時間滞在するのと同等のバイオレットライトを照射できる一方、ライトが直接視界に入らず、外側からも見えない設計にする予定。フレームにはジンズの超軽量アイウエア「エアフレーム(Airframe)」のノウハウを活用する。

 田中社長は「価格は未定だが、たくさんの子どもたちが利用できるようなリーズナブルな設定にする。ブルーライトをカットするアイウエアも当初は懐疑的に見られたが、今では世界中で販売されるほど広がった。僕らはバイオレットライトを使い、管理医療機器認定を受けたアイウエアで、近視のない世界を本気で目指す。眼鏡の用途は近視矯正だけじゃない。アイウエアにはそれだけの可能性がある」。