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ナイキのコリン・キャパニックを起用した“炎上”広告が、広告誌の最優秀賞を受賞

コリン・キャパニックがナレーションを担当している“Just Do It” 30周年記念CM。セリーナ・ウィリアムズやレブロン・ジェームズらも参加している

 ナイキのアメフト選手コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を起用した広告が、アメリカで最も権威ある広告・マーケティング誌として知られる「アドバタイジング エイジ(Advertising Age)」の最優秀マーケティング賞(Marketer of the Year)に選ばれた。

 同広告は、9月に発表された“Just Do It”30周年記念キャンペーンのメーンビジュアルで、キャパニック選手の顔写真の上に“何かを信じろ。たとえそれで全てが犠牲になるとしても(Believe in something, even if it means sacrificing everything)”とメッセージが掲載されたもの。同社のスローガンでもある“Just Do It”の記念すべきキャンペーンにキャパニック選手が起用されたのは、2016年8月当時NFLの「サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)」に在籍していたキャパニック選手が、「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」と、有色人種に対する差別や暴力に抗議するために試合前の国歌斉唱中に起立することを拒否したことで、現在に至るまで事実上NFLから追放されていることに対するナイキなりの彼へのサポートだ。しかし発表後すぐに、この広告を「アメリカへの背信」と捉えた保守派の間で大炎上し、一時株価が3.2%減、時価総額が32億ドル(約3520億円)減とマーケットにまで影響を与えることとなった。

 だが結果として同広告は、24時間で4300万ドル(約47億5000万円)相当のメディア露出価値という驚くべきエンゲージメントを生み出し、直後のオンラインで驚異的な売り上げを記録。そして、同社史上最高値の株価となる86.06ドル(約9638円)を更新するなど、18年6〜8月期決算で売上高が前年同期比10%増の99億5000万ドル(約1兆1144億円)という成長を支える要因となっていた。

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