「キス(KITH)」と「オン(ON)」のコラボレーションシューズ“K-テック 1”の新色を履いて、実際に東京の街を走ってみた。9月19日の朝、「キストーキョー(KITH TOKYO)」をスタート地点に、外苑前のいちょう並木までを往復する約5kmのランセッションが開催された。参加したのは、東京を拠点に活動するローカルランナー約20人。普段からランニングを楽しむ参加者に交じり、記者も“K-テック 1”を試した。
今回のランセッションは、単にコラボレーションシューズの走行性能を体験するだけのイベントではない。「キス」と「オン」という、ファッションとランニング、それぞれの領域で存在感を持つ2ブランドが、ランニングを通じてコミュニティーをつくる試みでもある。
走って感じた“K-テック 1”の履き心地
足を入れてまず感じたのは、高いデザイン性とランニングシューズとしての機能性を融合させたシューズであること。見た目はファッションスニーカーのようなたたずまいながら、軽快な履き心地と安定感があり、すぐに走り出したくなるような感覚があった。
“K-テック 1”は、「キス」と「オン」が共同開発した“K-テック”シリーズのモデル。合成スエードのタンとホットメルトオーバーレイ、パフォーマンスメッシュを組み合わせたアッパーに、「オン」の“クラウドスウィフト”のボトムユニットを搭載。“スピードボード”や二重密度の“ヘリオン”フォームミッドソールを組み合わせ、ランニングに必要な推進力やクッション性、安定性を備えている。アウトソールは「キス」のデザイン性で表現されたシャークカラー、両ブランドの特徴を一足に落とし込んだ。
実際に街中を走ってみると、足首もしっかりとホールドされ、着地から次の一歩までスムーズに足を運ぶことができた。グリップ力が高く反発性も感じられるフォームのミッドソールは、約5kmのランニングでも疲労感をあまり感じさせず、快適な走り心地だった。ランニングシューズとしての走破性や安定性を備えながら、「キス」らしくストリートカルチャーをベースとしながら落ち着きのある洗練されたデザインとカラーを楽しむファッションシューズとしての存在感も印象的だった。スペックだけでは語れない、デザインと体験の部分も、このシューズの大きな魅力だと感じた。
一人で走るのとは違う「グループラン」の楽しさ
今回のセッションで印象的だったのは、シューズだけではなく、参加者同士の距離感だった。普段は一人で走るという参加者も少なくなかったが、約20人で同じルートを走ることで、初対面同士でも和気あいあいとした空気感の中で、ゆったりとしたペースでランを楽しんだ。「タイムを縮める」「距離を伸ばす」といった目的とは少し違う、気張らない楽しさがあった。誰かと一緒に走ることで生まれる偶発的なコミュニケーションも、今回のランセッションならではの魅力だった。
ランニングの後は「キス トリーツ」でリカバリー
約5kmを走り終えた後は、「キス トーキョー」上階の「キス トリーツ」へ。ここでは「オン」とのコラボレーションによるドリンクでリカバリーした。
今回用意されたのは、“ココ マッチャ キス フォー オン”と“パッション エスプレッソ トニック キス フォー オン”の2種類。ランニング後のリカバリーをイメージし、前者は抹茶にココナッツウオーターとアガベシロップ、後者はパッションフルーツとトニックウオーターにエスプレッソを組み合わせている。走る、話す、飲む。今回のセッションで感じたのは、ランニングが単なる運動ではなく、ファッションやコミュニティー、カルチャーまで含めた体験になり得ることだった。
オン ジャパンにとっても新たな試み
オン ジャパンにとって、今回のように他ブランドと組んでランセッションを開催するのは初めての試みだという。「キス」と「オン」という異なるカルチャーを持つブランドが、シューズというプロダクトだけでなく、「走る」という体験を共有する。そこには、ランニングを競技やトレーニングだけに閉じず、ファッションやコミュニティー、ライフスタイルへと広げていく可能性が見えていた。