PROFILE: サラ・ウェインストック/「サラ ウェインストック」創業者

LA発ジュエリー「サラ ウェインストック(SARA WEINSTOCK)」の創業者であるサラ・ウェインストックがトランクショーのために来日した。同ブランドでは、ミツバチなどのラッキーモチーフが中心のジュエリーを提案。日常に輝きを添えるだけでなく、エンパワメントするジュエリーとして多くの女性たちの心を捉えている。日本では、2011年からロンハーマン(RON HERMAN)で販売。ジュエリー愛好家などから根強い人気があるという。ウェインストックが起業したのは2008年。離婚という人生の転機に出合ったのがジュエリーデザインだった。それ以来、“デイヴァイン・フェミニニティ(神聖な女性性)”をテーマにクリエイションを続けている。
原点は運命に導かれ制作したジュエリー
ジュエリーを重ね付けし、ジャケットとラメのスカートで颯爽と登場したウェインストック。「撮影したい」と告げると、「鏡を見てもいいかしら」と微笑む。長身で表情豊か、生き生きとした姿が印象的だ。彼女は、「私の原点は、レイク・タホで自分の内面と向き合いながら制作したジュエリー。黒ずんだシルバーと黒い石で作ったペンダントは、私の心を映し出すものだった」と語る。離婚を経て、経済的にも精神的にも自立を迫られた時期。そんな時期に生まれたジュエリーは、同じ状況にある女性たちの共感を呼んだ。働く必要のない環境にいた彼女だが、「自立するためにジュエリーは“選択肢”ではなく“必然”だった」と言う。そして、米国宝石学会でジェモロジストの資格を取得。アーティスト一家に生まれたこともあり、コンセプトを形にする表現力は自然と備わっていた。
パリで確信したデザイナーとしての道
そんな彼女にさらなる転機が訪れる。「パリの見本市『トラノイ』に出展しないか」という友人からの電話だ。開催日まで時間がなく、彼女は翌日、ジュエリーを携えてパリへと向かった。「わずか20点のジュエリーだったが、そこで出会ったのがロン・ハーマン本人。それが縁で、今のビジネスにつながっている」。他にも、サックス・フィフス・アヴェニュー(SAKS FIFTH AVENUE)をはじめ、複数のオーダーが入った。彼女は、「これが、私のキャリアになる。心を癒すためのジュエリーデザインが、私の進む道だと確信した」と当時を振り返る。「トラノイ」をきっかけに市場との接点が一気に広がり、彼女のジュエリーをセレブリティ=が好んで着用する機会も増えた。“意味を持つジュエリー”が彼女だけでなく、他の女性からも支持され、その輪が広がっていった。
自立心や強さを引き出す“意味のある”ジュエリー
“意味を持つジュエリー”のコンセプトの核となるのが“ディヴァイン・フェミニニティ”だ。ウェインストックは、「私自身の経験や感情をモチーフに落とし込んだジュエリーを通して、女性の内面の強さや自立心を引き出したい」と話す。ジュエリーのモチーフには、全て意味が込められている。例えば、トンボは再生、クロスは信念、ガネーシャは障害を乗り越えるといった意味を持つ。それらは全て、彼女自身が歩んできた人生で必要としたものだ。
中でも象徴的なのが、ハチのシリーズ。ハチといえば、ナポレオンも愛した繁栄・幸運を意味するモチーフだ。「女王蜂は、コミュニティや強い女性性のシンボル。ハチと花が支え合うエコシステムを通して、つながりや共存を意味する」とウェインストック。自然が生み出すハニカムの完璧な対称性や美しさもブランドを象徴する要素の一つになっている。「ジュエリーは、人から与えてもらうものではなく、自分のために選ぶもの。選ぶという行為こそが、自立の象徴だと思う」。ウェインストックのジュエリーは、彼女自身が人生の新たな章を切り開き、歩んできた軌跡そのものだ。デザインするモチーフはさらに進化を続けている。「旅が私のインスピレーション源。これから日本を旅するから、きっと新しいモチーフが生まれるはずよ」。