韓国のガールズグループ、NJZ(旧NewJeans)が活動休止を宣言した。
ファッション&ビューティ業界でも彼女たちを広告塔として起用している企業・ブランドがある。NJZが事務所との法的対立の末に活動を停止したことは、Z世代を中心に支持されてきた“クリーン”“洗練”“ナチュラル”といったイメージや物語性に傷を与えた。これまで支持してきたファンや消費者の心理にも変化が生じる可能性があり、ファッション&ビューティブランドの今後のプロモーション戦略やアンバサダー起用にも少なからぬ影響を与えるだろう。
メンバーは所属事務所「ADOR(アドア)」との専属契約解除を表明し、今年2月からグループ名を「NJZ(エヌジェージー)」に変更して独自に活動していた。しかしソウル中央地裁は今月21日に、独自の芸能活動を禁止する仮処分を下した。これを受けてNJZは、23日の「コンプレックスコン香港」での公演で「全ての活動を休止する」と宣言した。
「エッセンシャル」は
若年層獲得に絶大効果
広告起用の一例が、花王のヘアケアブランド「エッセンシャル(ESSENCIAL)」だ。昨年4月からアンバサダーに起用している。メンバーの爽やかな朝の風景を描き、当時の新曲「Bubble Gum」を採用した CMは、SNSでも話題を呼んだ。東京・渋谷では、同タイミングでリブランディングした“エッセンシャル プレミアム”にフォーカスしたポップアップイベントも実施し、メンバーの大型パネルのフォトスポットや広告撮影で使用した小物などを展示し、ファンを楽しませた。
“エッセンシャルプレミアム”は発売から2カ月で150万本を突破するなど初動から絶好調。10〜20代の若いファンを大きく増やすなど、NewJeansの広告効果の大きさを証明した。
気になるのは、今回のNJZの仮処分や活動休止が、今後のプロモーションにどう影響するかだ。花王の広報によると、現在も店頭などで「NewJeans」を起用した広告プロモーションを継続中という。アンバサダー契約は当時の所属先であったADORを通じて結ばれており、「NewJeans」名義での契約・起用であることが背景にある。
今月29日には「NewJeans×村上隆」の限定デザインボトルの“エッセンシャルプレミアム”が予定通り発売する見込み(数量限定)で、現時点で「影響はない」(花王広報)という。ただし、今後の広告塔起用やプロモーション展開の計画については「検討中・未定」とした。