ビューティ
連載 齋藤薫のビューティ業界へのオピニオン

日本はこのままサプリ後進国に甘んじていて良いのだろうか?

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「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)

こんなところに危険が潜んでいたとは!

サプリメントによる健康被害には、誰もが不意を突かれた。サプリに関しては、効果そのものもふんわりしたイメージで、そもそもそこまでリスクのあるものと思っていなかった人も多いはず。

もちろんまだ調査中。何も断定的には語れないが、“紅麹”が悪者にならざるを得ない状況だ。むしろ成分自体が自然のものであるという、まさにそこに安心感を持って手にした人が少なくないはず。ましてや製薬会社が作ったものなら……と選んだ人もいたはずだ。つまりある意味、サプリとして理想的な存在だったと言わざるを得ない。

今回の件で、何をどう怖がればいいのか、そこからして分からなくなったが、安全性が厳しく問われるのは当然の流れ。ただもし今回のことで、サプリに対する期待値が下がったり、進化や開発のモチベーションが下がったりしたら、それはそれで残念なこと。なぜなら来たる100年時代の健康寿命を維持する上で、サプリが最も大きな役割を果たすのは疑いようがないからだ。

あくまでも個人的に、更年期以降の美容は“外から塗るもの”だけではもう持たないとの判断から、すでにインナーケアが軸になっているし、NMNのように老化を1つの病気とみなし、だからサプリで予防ができるという発想のエイジングケアがみるみる主流になりつつある。言うまでもなく老化研究の第一人者、ハーバード大学のシンクレア教授が自著「ライフスパン:老いなき世界」で唱えた「人類は老いない身体を得ることができる」という説が一気に浸透、いわゆる“人生100年時代”とシンクロするように、若返りを美容としてじゃなく、治療的に追い求めていくアンチエイジングの新しいジャンルが確立しつつあるのだ。

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