ファッション

「アミ パリス」の2022-23年秋冬は“生きる喜び”を表現 パリの地下鉄をテーマにしたショーを開催

 「アミ パリス(AMI PARIS)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中の1月19日、1年半ぶりとなるリアルのランウエイショーを開催し、2022-23年秋冬メンズ&ウィメンズ・コレクションを発表した。今季は、ブランドの原点である“Fashion-For-All(すべての人のためのファッション)”という精神を復活させ、再解釈。「アミ」らしいリアリティーのあるパリジャンスタイルをそろえた。

地下鉄をテーマにしたショー演出

 ショーの会場となったのは、パリ2区にあるパレ・ブロニアール(旧証券取引所)。今季はメトロ(地下鉄)の切符と09年まで定期券として使用されていた”カルテ・オランジェ”を模したインビテーションに始まり、会場のエントランスに改札機を配置したり、駅に見られるタイル張りの通路を再現したり。パリの日常を象徴する場所を演出やコンセプトに取り入れた。

“生きる喜び”を表現した
コレクション

 そんなメトロで日々見かける魅力的な人々から着想したという22-23年秋冬は、“ジョワ ドゥ ヴィーヴル(生きる喜び)”を表現している。ブラックやグレー、ベージュといった落ち着いたカラーをベースに、フューシャピンクやネオングリーン、オレンジ、シグネチャーのレッドといった色彩で高揚感あふれるエネルギーをプラス。レオパードやレプタイルのパターンをのせたレザー、毛足の長いフェイクファー、透け感のあるデヴォレ・ベルベットといった質感豊かな素材が、よりクラシックで成熟したイメージを醸し出す。

 リアルなワードローブを意識したコレクションを着こなすのは、俳優やプロのモデルに加え、ストリートキャスティングで見つけた多様性に富む男女。パファージャケットやシアリングジャケット、デニム、ケーブルニットといったカジュアルなアイテムを織り交ぜつつも、今季はメンズ・ウィメンズ共にテーラリングがスタイルの軸になっている。メンズは、ボクシーなスーツやジャケット、ゆったりしたロングコートを合わせるスタイルが印象的。一方、ウィメンズはメンズ同様のジャケットやコートに、レースのトリミングをあしらったポルカドットのスリップドレスやホルターネックのトップス、サテンシャツとミニスカートなどを合わせ、センシュアルな要素を加えている。

エレガントな新作バッグや
コラボジュエリーも登場

 アクセサリーでは、ダブルチェーンとブランドのシンボル“アミ ドゥ クール”型のクロージャーが特徴のエレガントな新作バッグ“レ ヴーレ・ヴー”が登場。手にはレザーグローブをはめ、足元にはメンズはラグソールのレースアップシューズやローファーを、ウィメンズはパンプスや華奢なストラップサンダル、ミドル丈やロング丈のブーツを合わせている。また、今季はロンドンを拠点にするジュエリーブランド「アラン クロセッティ(ALAN CROCETTI )」とのコラボレーションが実現。 象徴的なハートのデザインで仕上げたユニセックスのリング、イヤリング、ネックレス、ブレスレットなど、スターリングシルバーのコンテンポラリーなアイテムをラインアップする。

「リアルかつウエアラブルで
あることが大切」

 デジタルはコレクション発表の新しい方法を考える上でとてもいい経験だったけれど、一番好きなのは、やっぱりリアルなファッションショー。だから、再びショーを開くことができてうれしいし、めずらしくエモーショナルになっているよ。今回、メトロを演出に取り入れたのは、社会的地位や文化的ルーツの違いも関係なく、多様な人が入り混じる唯一の場所だから。地元の人もいれば観光客もいるし、お年寄りからパーティー帰りの若者までいる。そのエネルギーに引かれるんだ。今季のコレクションは、シャープでより洗練されているかもしれない。でも、あくまでもリアルかつウエアラブルであることを大切にしている。僕にとってのファッションは毎日の着こなしであり、自分を端的に表現できる手段。ピンクのコートを選ぶのは気分がいい日だろうし、黒のパーカを着るのは何かを隠したいときだろう。ファッションを読み解けば、一目で相手のことが分かるんじゃないかな。

問い合わせ先
アミ パリス ジャパン
03-3470-0505