ファッション

ニューヨークの食の取り組みから学んだこと マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.15

ニューヨークでは、食からもサステナビリティを学んだ。ブルックリンでは、レストラン3店舗が共同で1頭の牛を買い、部位を分け合ったり、余った革や骨でアクセサリーなどを作たりして、話題を集めていた。

現在、家畜が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスが地球温暖化に与える影響が問題視されている。それは動物の革を使ってファッションアイテムを生産するファッション業界にも無縁ではない。問題解決のためにビーガンを勧める動きもあるが、食糧用に育てられる動物では革が、ファッションのために育てられる動物では中身が捨てられている現実に、まず目を向けるべきだ。

大量生産型の畜産では、傷ついた革は売り物にならないという既成概念や、革を剥ぐ際のタイムロスなどさまざまな理由から、革は廃棄されている。一方ファッション業界は、若くて柔らかい革を持つ子牛などを好んで使い、中身は廃棄されている。もし両者が1つの命から肉も革も余すところなく大切に使用すれば、無駄ばかりの現状で改善される点はたくさんある。

そして、そういうことにいち早く気付き行動したニューヨーカーから受けた刺激は、私のブランド「PMD」の取り組みにつながっている。「PMD」では、毛皮の製造工場で廃棄予定だったファーを分けてもらったり、狩らなくてはいけなかった鹿などの革を使用してアイテムを制作したり、循環型で無駄のない資源の使い方を大切にしている。資源を大切にする思考とテクノロジーを組み合わせた「PMD」のデザインには驚かれることも多い。エシカルでサステナブルなモノづくりは、デザインを諦めることではない。

そもそもデザインは、問題可決のために存在する。どのような素材でアイテムを生産するか——そこから素晴らしいテイストが生まれ、さらには問題解決にもつながったら。このような“デザイン”が各方面で広がれば、さらに“サステナブルでお洒落な未来”が生まれるのではないだろうか。

今回紹介したレストラン以外に、世界ではワイルドフードレストランも話題だ。そこでは、季節の手摘みのものを提供する大切さをコンセプトに、レストランの近隣で獲れたものしか出さない。「季節外だから手に入らないものは、大量に供給できなくても大丈夫」という考え方は、ファッションの世界にも落とし込めそうだ。ファッションと食は似ている。生き方の意思表示なのだ。

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