PROFILE: 松下 剛/社長

事業ビジョンに“VITAL LIFE”を掲げるMTGは、ビューティ、ウェルネスの領域に関する製品とサービスを展開する。創業30周年を迎えた2025年9月期の売上高は988億円、前期比37.5%増と躍進。25年7月にはリカバリーウエアブランド「レッド(RED)」を発表、11月には「リファ(REFA)」の旗艦店を銀座にオープンするなど話題を集め、トータルビューティブランドとして存在感を示した。
これまではリハーサルで
ここからが本番
WWD:大幅な増収増益の成長ドライバーは?
松下剛社長(以下、松下):有能な人材に恵まれた組織力だ。私から製品のアイデアを出すことが多いが、それを形にできるのは各分野のプロフェッショナルがそろっているからこそ。各専門チームが編み目のように連携プレーを行い実績を積み重ねた結果だ。
WWD:主力の「リファ」は売り上げ728億円だった。
松下:ドラッグストア221店舗で、ロゴを掲げた什器にシャンプー、ヘアブラシ・コームを陳列した「リファ」コーナーをテスト導入した。カテゴリー別に陳列するのが通常のドラッグストアだが、ブランドコーナー展開を基本とした。その結果、展開店舗の80%で、「リファ」がヘアケアブランド売り上げランキング1位を獲得した。今期(26年9月期)は本格化し1500店舗への導入を目指し、売り上げが上積みされるだろう。25年11月には銀座に“賑やかなラグジュアリー”をテーマに掲げた旗艦店をオープンしたが、それと同時に裾野を広げ売り上げにつながるドラッグストアを攻めるというのは、世界で見てもわれわれくらいだろう。
WWD:美容室やホテルで体験できるのも強みだ。
松下:美容室は4万4000店舗と取り引きがあり、今期は5万店舗に到達し、将来は10万店舗を目指している。美容室は、抜群のマーケティングの場。美の発信地であるサロンの方々が納得して使っているというのは消費者に刺さる。ホテルも絶好の体験の場となっており、ホテルで使って良かったからと銀座店を訪れる訪日客も絶えない。「リファ」ルームの導入実績は3300施設8万4700室(25年9月現在)で、ホテル側は単価も稼働率も上がり、WinWinの関係が築けている。ドライヤー、シャワーヘッド、シャンプー&コンディショナーを体感して頂いているが、今後は枕、パジャマ、フレグランスとアイテムを拡大する。これらの美容室やホテルと直接契約して、フィードバックがもらえるのもわれわれの大きな強みだ。また、「リファ」の店舗も77店舗から96店舗へと今期は拡大し、将来は200店舗をイメージしている。新製品も増えるので1店舗のスペース拡大にも取り組む。
WWD:26年度の売り上げ目標1200億円は強気の姿勢だ。
松下:25年9月期は191製品をリリースしたが、今期はさらに300の新製品を発売し、新製品の売り上げ比率60%を目指す。これからは「リファ」「シックスパッド(SIXPAD)」「レッド」を3本柱に、既存ブランドの精度を高め仕上げていく。「シックスパッド」は前期比8%の成長だったが、医療・介護分野に領域を広げたことや、フェムテック製品が好調なこともあってアグレッシブに伸びており、今後は2ケタ成長に入っていくだろう。リカバリーウエアブランド「レッド」は予想を上回る実績で、30年には国内で売上高1000億円を目指す。弊社が8年かけて開発した独自開発繊維“バイタルテック”の技術を活用した市場は無限大だ。各ブランドで活用するほか、他分野にまでカテゴリーを増やしていく。そういった製品開発と同時に、社内システムを含むバックヤードや物流も強化する。
WWD:今後の海外戦略は?
松下:戦略は2つ。1つはインバウンドで売れる仕組みとブランディングを強化する。そのシンボルが銀座店であり、非常に手応えを感じている。もう1つは、3年間でASEANを中心にテストマーケティングを行う。すでにマレーシアでシャンプー&コンディショナー“ミルクプロテインシリーズ”を販売したところ、1カ月で展開店舗の売り上げ1位になった。テストを積み重ね、進出のタイミングを見極める。
WWD:27年1月には名古屋市熱田区に新社屋が完成する。
松下:1階には「リファ」カフェ、ミュージアム、ショップ、屋外には広場、パン工房などを設ける。新社屋に先駆け、26年7月には隣接する場所に「MTG名古屋四季劇場」が開場する予定だ。年間36万人の来場を見込んでおり、地域の人にも期待されている。「MTGが熱田の街に来てくれて良かった」と言ってもらえるように頑張りたい。
WWD:創業から30年を振り返ると?
松下:これまでの30年はリハーサルで、MTGはこれからが本番。今後10兆円を目指す。これまで1兆円を目標と言ってきたが、それは売上高が100億円を想定していたときのこと。創業から今に至るまでの年平均成長率は21%で、ここ3年の成長率は26%と上回る。その成長率を見れば実現可能だ。私自身本気で目指すし、日本で1社くらいそんな大きな目標を掲げるビューティ企業があってもいいと思う。
個人的に今注目している人
自分が前線で会社を率いる20年後の目標と思い、現在76歳の矢沢永吉の東京ドームのライブに行った。その迫力のステージと超一流の空間演出は想像を遥かに超えていて、その帰り道、目標を10兆円にすると決めた。あれだけのパワーでみんなに元気を与え、笑顔にするのは“VITAL LIFE”そのもの。多くのヒット曲がある人は数を出しているというのが世界共通。数を出すのは大変だろうが、そこから未来に残る曲、愛される曲が生まれる。それはわれわれの製品も同じだ。
1996年設立。クリエイション、テクノロジー、ブランディング、マーケティングの4つの軸を融合させる独自のビジネス手法で、さまざまなブランドを開発。2009年に「リファ」、15年に「シックスパッド」、25年に「レッド」を発売し、新発想のヒット製品を世に送り出す。27年1月には、名古屋市熱田区に隈研吾が設計・監修する、延べ床面積約1万5000m2、総工費約107億円をかけた新本社社屋を完成予定。一部は複合施設として一般開放し、熱田の街の新たなにぎわい創出にも貢献する
MTG
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